■金属時評最新ニュース 週間速報版

■■金属時評■
  「レアメタル」と「レアアース」の素材から
「アプリケーション」までの最新ニュースを伝える金属時評!!

■創刊:昭和33年11月15日 
■発行日:毎月5日・15日・25日 B5版16頁 

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■金属時評 週間速報版
*2019年
8月12日~(週間)
8月16日
サムスンディスプレーがLCD減産、韓国内のLCD生産を半減

外電などによると、サムスンディスプレーは、韓国内の大型LCD生産ラインの稼働を一部停止することで、月間の生産量を12万枚削減する。韓国経済新聞が複数の業界関係者を引用して伝えた。中国のLCD供給増加や世界のテレビ需要減退、米中貿易摩擦が理由という。サムスンは月9万枚のパネルを生産する8.5世代LCD生産ライン「L8-1」の稼働を今月停止するほか、「L8-2-1」ラインでの月間生産量を9月から3万枚減らす。サムスンは韓国内で月約25万枚のLCDパネルを生産している。LGディスプレーも京幾道坡州で「P8-2」ラインの稼働停止を検討しているという。

8月15日
台湾、PC受託大手が米国向け製品を中国から短期は台湾、先行きはアジアに移転へ

地元紙の報道によると、米通商代表部(USTR)が13日に、対中制裁関税第4弾の一部品目について10%の追加関税の発動先送りを発表したが、対象にスマートフォンやノートパソコンなど台湾メーカーへの影響が大きい製品が含まれたため、台湾のノートPC受託生産大手4社は第4弾対策として、米国向け製品を短期的に台湾生産に切り替える準備をしている。追加関税率がいずれ25%に上昇することを見越して、東南アジアへの生産移転も進める構えと伝えた。

8月14日
オリックス、インドの風力発電事業会社を完全子会社化
オリックス株式会社(本社:東京都港区、井上 亮社長:)は、このたび、同社の出資先であるインドのインフラ開発・投資会社Infrastructure Leasing & Financial Services Limited傘下のIL&FS Wind Energy Limitedと共同出資している風力発電事業子会社の全株式を取得することで合意した。今後、必要な許認可の取得手続きなどを経て、完全子会社化する。オリックスはインドでの風力発電事業を目的に、特別目的会社(SPV)7社の株式の各49%を保有している。SPV7社はインドの中でも風況が良い南西部の7州で、設備容量計873MWの風力発電所を運営している。オリックスは、国内で設備容量合計約1GWの太陽光発電事業や、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーによる発電事業を積極的に推進している。これまでに培った経験や専門性をもとに、今後もアジアをはじめとした海外での再生可能エネルギー事業を強化する。

8月14日
7月の中国工業生産4.8%増、一段と減速鮮明に

中国国家統計局は、7月の主要経済指標を発表し、鉱工業生産額(一定規模以上の企業対象、付加価値ベース)は前年同月比4.8%の増加にとどまった。伸び率は前月を1.5ポイント下回り、2009年1~2月期(3.8%増)以来の低水準。投資や消費の伸びも鈍化した。中国経済の減速が一層鮮明になったことで、景気安定に向けた政策運営や米国との貿易交渉は一段と難しいかじ取りが求められそうだ。
7月の鉱工業生産の詳細を見ると、対象となる主要41業種のうち前年同月に比べ生産額が増加したのは36業種。伸びが高かったのは◇鉄道・船舶・航空・宇宙その他運輸設備製造業:15.7%増◇非鉄金属精錬・圧延加工業:10.3%増◇鉄鋼精錬・圧延加工業:10.0%増――などとなっている。自動車製造業は4.4%減少した。
主要生産品の生産量は◇セメント:7.5%増の2億1,003万トン◇板ガラス:5.5%増の7,801万重量箱◇自動車:11.5%減の185万4,000台◇携帯電話:4.5%減の1億4,041万台◇産業用ロボット:7.1%減の1万5,478台――などとなった。1~7月の累計では◇セメント:7.2%増の12億6,253万トン◇板ガラス:7.0%増の5億4,314万重量箱◇自動車:12.8%減の1,435万台◇携帯電話:5.7%減の9億6,236万台◇産業用ロボット:6.3%減の10万906台――だった。

8月13日
トランプ米大統領、9月1日に発動予定の中国製品に対する10%の追加関税のうち、ノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動延期

トランプ米大統領は、9月1日に発動予定の中国製品に対する10%の追加関税のうち、ノートパソコンや携帯電話など一部製品への発動延期を決めた。 米通商代表部(USTR)は声明で、「コンピューター、ビデオゲーム端末、一部の玩具、パソコンのモニター、一部の履物や衣料品」などに対する関税措置の発動を12月15日まで延期すると表明した。また、これとは別の製品群も「安全性や国家安全保障」などの観点から除外されると明らかにした。

8月12日
豪ライナス、米テキサスの重希土類工場に米政府が支援か

地元紙各紙などの報道によると、豪レアアース生産大手のライナスが米国テキサス州で計画するレアアース処理工場の建設が、米国政府からの補助金を得られる見通しと伝えた。米国が中国との経済戦争で、同国からの重希土類調達が危うくなっていることが、その背景にある。

8月12日
中国・華為が独自OS鴻蒙発表、栄耀TVに搭載

中国の華為技術(ファーウェイ)は、独自開発した基本ソフト(OS)「鴻蒙」を発表した。同OSを搭載した初めての端末「栄耀(オーナー)」ブランドのスマートテレビも15日に発売すると明らかにした。新華社電などが伝えた。鴻蒙の英語名は「ハーモニー」。一般消費者向け端末事業部門の最高経営責任者(CEO)を務める余承東氏によると、鴻蒙はオープンソースの方針をとっており、アプリケーション開発企業などが基本的に自由に対応アプリなどを開発できる。ファーウェイは先行する他社OSについて、米グーグルのアンドロイドは不安定性、米アップルのiOSは閉鎖性といった弱みを指摘。その上で鴻蒙は安全性や開発業者との資源共有で優位性があると説明している。鴻蒙は今後、スマートテレビだけでなくスマートフォンやパソコン、タブレット端末、車載端末、ウエアラブル端末などの製品にも対応可能としていく。米政府による米国技術や製品の供給制限により、自社のスマホなど電子製品の多くにアンドロイドを使用しているファーウェイは独自のOSの開発が急がれていた。

8月5日~8月9日
8月9日
中国のレアアース業界団体が、米国向け規制に支持表明

現地報道などによると、中国のレアアース(希土類)の業界団体が、米中貿易摩擦を巡り中国政府が米国に対し報復措置を取ることを「支持する」と表明したと伝えられた。軍事を含むハイテク製品に欠かせない資源の対米輸出規制をほのめかし、米側に圧力をかける狙いとみられる。

8月9日
富士経済、水素燃料関連の国内市場調査、水素ステーションの設置増加、また、水素燃料の用途の広がりが予想される -2030年度市場予測(2018年度比)―

●水素燃料関連 4,085億円(56.0倍)
~各分野が堅調に伸びる。アプリケーションの広がりにより、特に水素燃料の需要が大幅増~
■水素燃料 1,863億円(372.6倍) 
~当面はFCV向けが中心となるが、2030年度には水素発電向けが大部分を占める~
■商用水素ステーション 385億円(7.7倍) 小型水素ステーション 116億円(11.6倍)

8月9日
LMEニッケルが急伸、供給懸念広がる-銅やアルミなど軒並み上昇

外電によると、8日のロンドン金属取引所(LME)のニッケル相場は急伸。1営業日の上昇率としてはここ10年で最大となった。ニッケルは一時、1トン当たり2000ドル近く(13%)上昇。最大生産国のインドネシアがニッケル鉱石の禁輸措置を前倒しする可能性があるとの臆測が、この1カ月間の押し上げ要因となっていた。同国鉱物資源省がそうした観測を否定したことを受け、その後はやや上げ幅を縮小したものの、ここ4年余りの高値で取引を終えた。

8月9日
豊橋技術科学大学が、二次電池用金属リン化物電極のバインダレス形成と長寿命化、次世代型高容量リチウムイオン電池への応用に期待

豊橋技術科学大学は、エアロゾル・デポジション(AD)法を用いてバインダ(結着材)を用いず、リン化錫(Sn4P3)/カーボン(C)複合膜を金属基板上に形成することに成功した。今回の成果は、次世代型高容量リチウムイオン電池への応用が期待される。同大学の研究グループは、Sn4P3粒子にカーボン材料(アセチレンブラック)を簡便なボールミル処理によって複合化し、衝撃固化を介することで導電助剤やバインダを加えることなく、金属基板上に固化させた。この手法により、電極内での活物質の充填率を80%以上に調整した。カーボンの複合化と放電(脱合金化)電位の制御により、充放電サイクル時の電極構造の変化が抑制され、結果として、100サイクル後で黒鉛負極の2倍に相当する730mAh/g、200サイクル後で500mAh/g、400サイクル後で400mAh/gの可逆容量を保持できた。研究成果は、次世代型高容量リチウムイオン電池の実現への貢献が考えられるほか、Sn4P3はリチウムのみならず資源的制約の少ないナトリウムについても合金化/脱合金化反応を示すため、リチウムイオン電池よりも低コスト化が可能なナトリウムイオン電池用電極への応用も期待できるとしている。

8月8日
富士経済、特殊粘接着/封止材の世界市場調査、2024年には139億6460万ドルに――特殊化、高機能化、高付加価値化要求が進展 

富士経済は2019年8月6日、特殊粘接着/封止材の世界市場を調査し、その結果を「2019年 特殊粘接着・封止材の市場展望」として発表した。それによると、2024年の世界市場は、粘接着/封止材の特殊化、高機能化、高付加価値化要求が進展することで2018年比31.6%増の139億6460万ドルに達すると予測した。

8月8日
日本政府、韓国向け半導体材料の輸出許可、管理厳格化以降で初

日本政府が韓国向け半導体材料の輸出案件について、先月4日の管理運用の厳格化以降で初めて許可したことが分かった。世耕弘成経済産業相が8日の記者会見で明らかにした。世耕経産相は、個別許可への切り替え以降の半導体材料3品目の輸出申請で「厳正な審査を経て安全保障上懸念がない取引であることが確認できた最初の案件について、既に輸出許可を付与している」と語った。輸出許可の時期や具体的な品目については言及を控えた。さらに、「韓国政府からわれわれの措置があたかも禁輸措置であるとの不当な批判が行われている」ことを踏まえて、今回は例外的に公表したと説明。「正当な取引については、日本政府としては恣意的な運用はせず、外為法の規定に基づいて厳格な審査を踏まえて許可を出していく」と語った。一方で、3品目以外でも不適切な事例が出てきた場合、「個別許可申請の対象に追加することも含めて徹底した再発防止策を講じていきたい」と述べた。韓国の李洛淵首相は8日、ソウルでの会合で、日本政府が極端紫外線(EUV)用レジスト(感光剤)の輸出を許可したと述べた。

8月7日
シャープ、バッテリー交換不要のビーコンを開発、世界最高レベルの発電効率の色素増感太陽電池を搭載 、第一弾として清水建設株式会社に納入

シャープは、世界最高レベルの発電効率を実現した色素増感太陽電池を電源とする、バッテリー交換不要のビーコンを開発した。位置情報を提供するさまざまなサービス事業者への供給を通じて、本製品のマーケティングを進めてまいります。第一弾として、本製品を清水建設株式会社(本社:東京都中央区、井上 和幸取締役社長)の屋内外音声ナビゲーションサービスに向け7月末に納入した。これまで、ビーコンの多くが1次電池を搭載していることに加え、電波の減衰を防ぐためビーコンを地上2m程度の高所に設置する必要があることなどから、電池交換などの定期的なメンテナンス作業が発生するという課題があった。ビーコンは、位置情報信号を無線通信Bluetooth(R)などで発信する機器。これを受信するスマホやタブレットなどの端末の位置を測定することにより「ナビゲーションサービス」などのシステムに使われる。ビーコンはGPS(Global Positioning System/全球測位衛星システム)の電波が届きにくい屋内や地下施設において、スマートフォンなどを用いた位置情報案内サービスや店舗からのクーポン配信などに広く活用されつつあり、今後、さらなる需要拡大が見込まれている。

8月7日
NY金6年4カ月ぶり高値、1500ドル台に

8月7日のニューヨーク金先物相場は大幅続伸し、取引の中心となる12月渡しが前日比35ドル40セント高の1オンス=1519ドル60セントで取引を終えた。終値が1500ドル台をつけたのは、2013年4月以来約6年4カ月ぶり。米中貿易摩擦の長期化や世界経済の減速に対する懸念から、相対的に安全な資産とされる金への資金流入が続いた。

8月7日
米、政府機関のファーウェイ製品調達を禁止 暫定規則公表

外電によると、トランプ米国は昨年成立した米国防権限法(NDAA)に基づき、米政府機関が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を含む中国企業5社の製品調達を禁止する暫定規則を公表した。8月13日に発効する。 連邦調達庁(GSA)によると、対象となる中国企業は、ファーウェイのほか、中興通訊(ZTE) 、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、海能達通信(ハイテラ)、浙江大華技術(ダーファ)。政府機関は各社が製造する通信機器や監視機器の調達が禁止される。 政府は今後60日間、パブリックコメント(意見公募)を受け付け、その後最終規則を公表する。 ファーウェイとZTE、ハイテラ、ダーファからのコメントは得られていない。ハイクビジョンは各国の法律と規制の順守にコミットしているとした。

8月7日
豪Mineral Resources社と米Albemarle社、WA州Wodginaリチウム鉱山とKemerton水酸化リチウム工場の包括取引で合意

JOGMECによると、豪Mineral Resources社は米Albemarle社と2018年12月に合意していたWA州Wodgina Li鉱山の50%権益譲渡に関する条件の再交渉を実施し、リチウム産業の下流に参入する機会を確保したと報じている。両者は再交渉の結果、Albemarle社がMineral Resources社が保有するWodgina鉱山の取得権益比率を50%から60%に引き上げる代わりに、Albemarle社がWA州Kemertonで建設を進める水酸化リチウム製造工場の権益40%をMineral Resources社に譲渡することで合意。再交渉前に1.15bUS$であったAlbemarle社からMineral Resources社に支払われる費用総額は、Wodgina鉱山の60%権益費用分の現金支払い820mUS$と、Albemarle社がMineral Resources社に代わって負担するKemerton水酸化リチウム製造工場建設費の40%に相当する480bUS$を合わせ、総額は1.3bUS$となると報じられている。両社は2019年12月までに最終的な契約を締結することを予定している。

8月6日
南ア白金触媒燃料電池のサプライチェーンへの参入に期待

JOGMECによると、南アでは、燃料電池の需要増に関連するビジネスへの参入が促進されているト地元メディアが伝えた。国内にて付加価値を付けるべく、関連する下流産業への参入を企図する南アのスタートアップ企業もあるという。Isondo Precious Metals社はその一つであり、燃料電池の心臓とも言える膜・電極接合体(MEA)に使う白金触媒コーティング膜の製造に意欲的である。世界最大の白金供給国であるメリットを生かすべきと同社社長は語る。経済特区(SEZ)の設置など、南ア・貿易産業競争省(DTIC)による同分野への支援もある。大学とのパートナーシップやHydrogen South Africa(HySA)を通した技術者の輩出もなされているという。南アにおいて、白金需要増と併せて国内産業の再活性化への期待は大きい模様。フォルクスワーゲンの「ディーゼル排ガス不正」問題以降、白金の需給構造に変化が生じており、先行きへの懸念を背景とした新規分野開拓の動きともみられ、注目される

8月6日
南アTharisa mining社、クロム回収事業に54mUS$を投資

JOGMECによると、Tharisa mining社は、南ア・北西地方のBrits市に隣接するクロム・白金鉱山の尾鉱からのクロム回収事業(Vulcan Chromeプロジェクト)に54.2mUS$の投資を決めた、と地元メディアが伝えた。回収プラントによって、年間クロム2百万tと白金族200千ozの生産を2020年までに予定する。尾鉱からファインクロムを回収する方法は、同社によって開発され、回収率を高めることでクロムの生産コストを抑えた。2019年8月にはプラント建設を開始し、2020年第4四半期までに試験操業を開始する予定。

8月5日
村田製作所、総額47億円超のMLCC増産投資を発表
 
村田製作所は、生産子会社であるイワミ村田製作所(島根県大田市)において積層セラミックコンデンサー(MLCC)の生産能力拡大を目的として増産投資を実施すると発表した。新生産棟の建設や既存棟への生産設備増設などの増産施策を実施し、総額47億1000万円を投じる。今回のMLCC増産に向けた投資は、イワミ村田製作所の既存生産棟で生産設備の増設を行うとともに、新たに用地を取得し新生産棟を建設する。 同社では2019年7月に、新生産棟の建設用地として、既存生産棟から約5km離れた波根地区工業団地内に4万7891m2の土地を2億8000万円で取得。2019年8月から、新生産棟の建設に着手する。新生産棟の建築面積は2529m2で、建屋は地上4階建て、延床面積9131m2となる。2020年5月の完成を予定している。

8月5日
昭和電工、アルミニウム合金とポリカーボネート樹脂を高強度で直接接合する技術を開発

昭和電工は、アルミニウム合金と汎用の非晶性エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネート樹脂を高強度で直接接合する技術を開発した。この技術は、特殊表面処理とプライマー処理を施したアルミニウム合金を使用し、ポリカーボネート樹脂との高強度の直接接合を可能にした。この接合技術は、アンカー効果のみに頼るのではなく、化学結合力も利用した画期的な接合技術。実験により、一般的なポリカーボネート樹脂の成形条件で、25メガパスカル以上の実用上充分な接合強度を持つことを確認している。さらに、接合強度を充分に発揮させるための特殊な条件や設備が不要なことも特徴。

8月5日
NEC、空飛ぶクルマの機体管理機能や飛行特性を把握するための試作機を開発し、浮上実験に成功

NECは、空飛ぶクルマの機体管理機能や飛行特性を把握するための試作機を開発し、浮上実験に成功したと発表した。今回開発した試作機のサイズは、全長約3.9m、幅3.7m、高さ約1.3m。空飛ぶクルマに必要なGPSを含む飛行制御ソフトウェアや推進装置となるモータードライバーなどを新たに開発し搭載した。NECは空飛ぶクルマの実現のために、交通整理や機体間、地上との通信を支える管理基盤の構築を開始。今回の試作機開発と浮上実験は、その取り組みの第1段階となるもの。

8月5日
横浜国大、合金の複雑な構造をパラメーター無しで予測、新手法「第一原理フェーズフィールド法」を開発

横浜国立大学は、物質・材料研究機構と共同で、航空機ジェットエンジンのタービンなどに使用されるNiAl合金の複雑な微細構造を、さまざまなNiとAlの混合比に対して一切のパラメーターを使用せずに、物理の基本法則のみから正確に予測することに成功した。研究では、ナノスケール(第一原理計算)からマクロスケール(フェーズフィールド)まで異なるスケールの計算手法を、ポテンシャル繰り込み理論とクラスター展開理論を併用し、階段的な自由エネルギー関数を求め、パラメーター無しに元素分布を求める新手法「第一原理フェーズフィールド法」を開発した。この手法は多元合金に応用可能。今後は、鉄鋼材料やその他の多元合金の第一原理フェーズフィールドシミュレーションにより、微細構造と局所応力分布の組成比依存性を計算し、それぞれの特徴を明らかにする。今まで経験則でのみ議論されてきた鉄鋼材料や、その他の合金の本質が解明される。このため、強度や靭性、延性、塑性、軽量性などの特性を最大限に実現できる合金をいち早く設計する理論予測技術になるとしている。

2019年8月 9日 (金)

■講演会■ 第87回レアメタル研究会 9月13日(金)開催

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2018年8月23日 (木)

■金属時評見本誌










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2017年4月 8日 (土)

■金属時評本誌 インタビュー過去記事

■■インタビュー集

■トップインタビュー

2016年11月5日号

●RSテクノロジーズ 取締役事業本部長・本郷邦夫氏

今春、台湾に月産10万枚の300ミリ再生シリコンウエハー工場を新設したRSテクノロジーズ。全額出資子会社での生産が早くも、「フル稼働に迫る80%操業に入っている」という。台湾の世界最大のファウンドリ―企業のTSMCやUMCなどの生産は好調で、「すぐというわけではないが、早晩、増設することになるだろう」と話すのは、同社の本郷邦夫取締役事業本部長。半導体全般は、やや調整気味とみるが、DRAMが比較的調子が良いほか、市況が上向いている状況であり、目先はまずまずとみている。今年上期は、熊本地震の影響で、三本木工場はフル稼働となっていたが、下期はまだ見通せない状態。しかし、それ以上に台湾の隣の中国の動きに眼を光らせる。中国の半導体投資が「灼熱」状態化しているからだ。「300ミリ工場の立ち上がりに対応し、認定は逐次進めて行く。それに沿って、2018年頃には現地生産が必要になるかもしれない」(同取締役)と分析している

 

―WSTSが2016年春季半導体市場予測で、今年の世界の需要見通しを前年比2.4%減と見込んだほか、ここにきてTSMCが、今年の成長見通しを2%から1%程度に下方修正するなど、半導体景気はやや調整気味ですが。

 

本郷 世界的な半導体景気動向は、確かに余り良くはない。ただ、DRAMはまあまあの状態だと思われるし、DRAM市況も上向き傾向にある。「楽観」はできないが、目先はまずまずというところ。再生シリコンウエハー事業は、台湾が早くも80%稼働を達成した。

 

―ところで、中国の半導体ビジネスが活況を呈しています。2020年には5割の自給率を目指すという壮大な半導体国家計画が本格化しているためで、かつての太陽電池、ディスプレイに次ぐ「灼熱状態を」迎えているようですが。

 

本郷 今春、「武漢新芯集成電路製造」(XMC)は、湖北省武漢で240億ドルを投じたNAND新工場の建設に着手した。同社は、2030年にはNANDや3DNANDで東芝を凌駕すると公言しているようですね。これに代表されるように、300ミリウエハー工場の新設計画が目白押しである。台湾のTSMCが全額出資で中国に初めて単独で3700億円を投じて、南京に最先端の300ミリウエハーを流す半導体工場の建設に着手した。また、同UMCが福建省厦門で着工した300ミリ工場は今年12月から量産に入るとされるほか、Powerchipが合肥で300ミリ対応の工場を建設中であること、および米国のグローバルファウンドリーが四川省重慶に進出するなど、大手3社が中国で揃い踏みの300ミリ対応の半導体工場建設を競っている。最近、仕事で安徽省合肥に出かけたが、BOEが長さ2キロメートルにも及ぶ巨大な液晶ディスプレイの最新工場を建設していた。そのパワーには眼を見張る思いである。

 

―今年の8月初めに、そのXMCを巡る中国の半導体企業同士のM&Aとして初めての大型買収が行われ話題となりました。この買収劇は、中国の半導体設計大手の清華紫光集団が、国内半導体メーカー最大手の一つであるXMCの株式の過半を取得、「中国最大の半導体メーカーが誕生した」という出来事です。これによって、〝中国最大〟の半導体持ち株会社「長江存儲科技」が誕生しました。新資本金は189億元(約2800億円)になるということです。

中国は半導体を年間約2000億ドル(約20兆円)以上、輸入しており、2013年には原油を上回る中国最大の輸入商品となりました。しかも、半導体分野では世界最大の貿易赤字国でもあります。このため、ハイテク産業のシンボルである半導体産業の育成を最優先課題に掲げ、2020年までに自給率5割を目指した国家プロジェクトがスタートしています。

 

本郷 中国の半導体自給率を高める戦略のなかで、遅れているのがシリコンウエハーや半導体材料、半導体製造用の特殊ガス事業である。これらは、半導体ビジネスの研究開発にスペックインして、成り立つ事業である。そのため、現状では最先端の半導体工場がわずかしかないために、ほとんど育っていない。そのため、2020年の段階では半導体の50%の自給率に対して17~18%にとどまるとみられているようだ。

 実際、シリコンウエハーでは6インチ以下しか自給できていない。わずかにある8インチでも、かつて日本から進出した企業が撤退し、その後を引き受けた日本企業が量産している以外は、事実上存在していない状態。6インチまでは、海外の技術者を引き抜くほか、退職後のエンジニアなどの協力で量産化できたが、6インチから8インチへの「ハードル」が極端に高く、容易に超えられないとみられている。日本でも6インチから8インチへのステップアップには、高精度の品質管理が求められてきたので、その経験を踏まえると、中国の困難さは十分理解できる。

 

―中国では8ンチを飛び越して、12インチウエハーの量産化の動きが具体化しています。「上海新昇半導体」が、今年夏までに300ミリウエハーの製造設備を建設し、単結晶シリコンからプライムウエハーまでの一貫体制を構築し、月産5000枚での生産に着手したといわれます。

 

本郷 近く本格的に稼働するようだ。将来的には月産60万枚を目指すとのことだが、量産化の決め手は研究開発の持続力と研究資金が続くかどうかだとみている。韓国で先端ウエハーを量産している企業からも開発要員を集めているようだが、そう簡単ではない。ただ、今後は国内の300ミリウエハーラインが続々と立ち上がってくるので、採用するところが出てくる可能性もあり、注目してみている。

*(続きは、有料バックナンバーで)

 

 

■トップインタビュー

2016年9月5日号

●NECトーキン  代表取締役・執行役員社長 小山茂典氏

NECトーキンの再建を引っ張ってきた小山茂典社長。就任4年目の2015年に全事業門の黒字化を達成するなど、健全化にメドをつけた。この間、タイの洪水の影響もあって一時は大きく落ち込んだタンタル電解コンデンサー事業の立て直しに取り組み、売り上げの25%を占めるまでに見事に回復させたほか、車載用のリレー事業を世界標準に押し上げるなど、「確かな経営手腕」が輝きを放っている。ここにきて中期的に、タンタルコンデンサーを毎年10%増強し、2018年度に月産1億個への引き上げを計画するなど、主力事業の強化を図る一方、モーターを始めとして多様な産業分野でのアプリケーションが見込まれるナノ結晶軟磁性材料や薄帯から粉末製品化を狙う非晶質軟磁性材料などの新規事業分野への展開を打ち出した。同社長は固めの経営見通しを語るが、米KEMET社との協業をフォローの風にした再建策が功を奏し、縮小均衡から脱却した今、再生NECトーキンの拡大均衡への期待が高まってきた。

 

‐NECトーキン創業以来の厳しい状況下で、経営再建に取り組んで来られました。それから5年を経まして、昨年度は全セグメントで黒字転換を達成、今年は新たな第一歩を踏み出したわけですが、直近の収益状況を教えてください。

 

小山 2012年に社長に就任しましたが、その時が日本のパソコン、携帯電話などのジャンルでハードウエアメーカーがポジションを下げて行った時で、最も厳しい時期でした。そこから社員皆で頑張って、ドン底からは何とか這い上がってきて、2015年度に営業黒字転換を果たしました。それまでの「寝たきり」の状態からようやく「起き上がって、歩きはじめる」ことができた状態というところです。この成果から振り返れば、過去2012年ぐらいから積み重ねてきた改善は、概ね「的を得た」計画だったと思っています。

当社は、現在非公開なので決算は公開していませんが、昨年度の実績は、売上553億円、営業利益25億円です。営業利益率5%ですね。引き受けたときは、マイナスからの出発でしたが、2012年度からは改善を積み重ねた結果、一貫して毎年増収増益化できましたが、2015年度は、ようやくすべての事業分野で黒字転換でき、「全社的に前に進むことがみえてきた年だった」と位置付けています。

 

‐2011年には2度の未曾有の災害に国内外で見舞われ、この間、「耐えに耐え抜いた」と、拝察致しますが。

 

小山 この5年間は事業環境やマーケットの変化などにも晒されましたが、私が引き受ける前の2011年には東日本大震災があり、宮城県の工場も被災しました。当時、宮城県の工場の責任者でしたが、被災と同時にサプライチェーンも大いに痛み、顧客も含めて大きな困難に見舞われました。それに加えて同年の秋にはタイで大規模な洪水があり、当社のキャパシターの主力工場が1カ月以上、水に浸かり、全損となりました。当時、タイの工場の出荷額は全社売上の3分の1以上、利益ベースで50%以上稼いでいた工場が、「ゼロに帰した」わけですから、大きなインパクトでありました。

いずれの災害も、「何百年に一度」という頻度の天災ですが、先ほども言いましたように2011年後半から2012年にかけてが、当社にとって最も苦しい時期でした。東日本大震災では、被災した工場の責任者として、「従業員の頑張り」を目の当たりにしまして、この会社の仲間たちと会社を必ず復活させたいと思いましたし、それだけの価値のある事業だと思いを新たにしました。

タイの洪水でも、「従業員にとっては生活基盤を失うような」大きなことでありましたし、当社にとっても事業を奪われるような大災害でありました。当時、直接タイの事業に携わっていませんでしたが、マネジメントの上位案件として「再建に」に取り組みましたが、やはり現地を訪れ、この事業を何とか復活させたいとの強い思いを抱きました。

巡り合わせもあって、社長を引き受けましたが、今、振り返るとわずか1年の間に大きな災害が二つも重なる苦境のなかで、「何で引き受けたのか?」とも考えることもありますが、「皆で危機感を共有」しながら、ここまでやってきたことが、全セグメントで黒字化を達成できた原動力となったと思っています。その結果、被災した宮城やタイの工場も早期の復旧と新工場を立ち上げることができました。タイは、20年も地元に根付いた事業であり、翌年の夏にはタイ国内の新立地で操業再開にこぎ着けることができました。

 

‐東日本大震災だけでもエレクトロニクス関連メーカーの痛手は、相当なものでしたが、ましてやタイの洪水とまさに、「会社存亡の危機」でした。そこから社長のリーダーシップと全社の身を削るような努力の積み重ねで這い上がってきましたが、その成果が2015年度決算に結実しました。経営が上昇軌道に乗る一方、タンタルキャパシターやリレーなどでは、活況が戻ってきました。

 

小山 昨年度から伸長しているキャパシターやリレーなどへの投資に徐々に取り組み始めています。しかし、ここに至るまでには多くの地道な企業努力が積み重ねられています。それは、タイでは工場が2012年夏に操業が再開できましたが、ホッとするどころか新たな「困難」の始まりでした。半年以上供給が停止したわけで、再認定など、一からのスタートを余儀なくされまして、マーケットシェアを取り戻すのに、そこから1年半以上の長い時間が必要でしたから。ただ、20年来の工場を失いましたが、新たな工場の建設によって最新の機器の導入が行われ、生産体制を一新することができました。競争力を高める大きな推進力となりました。

 

‐まさに、「禍転じて福となす」ということでしょうか。洪水の直後は、タイでの工場再建は出来ないのではとの見方もありましたが。

 

小山 キャパシターの主力拠点でしたが、タイでの工場再建をすべきかどうか、悩んだ時期もありました。当時は、原料タンタルが急騰している時期でもあり、収益性が悪化していまして、工場としても大きな規模のケミカル部分を抱えていますので、再建のハードルは非常に高かった。しかし、世の中でこうした電子部品が必要であり、期待に応えられるテクノロジーも有していましたので、何としても再建したいという思いがありました。幸い、「災害保険」のなかに洪水被害が保障に含まれており、再建投資費用の多くを賄うことができましたことは幸運だったと思います。

新工場の再建によって、競合他社に比べて「半歩先を行く」テクノロジーを取り込むなど、その後、このことが十分な利益を取り戻すことに繋がりました。ただ、この間の業績改善の大きな要因は、スマートフォンやIT、自動車の電装化の一層の進展、その他様々な電子産業の上昇トレンドが追い風になったことでした。

こうした効果もあり、最近になって設備投資が再開できる基盤がととのってきてはいますが、この間の4~5年の間に他の日系電子部品メーカーはどこも、過去最高の利益を上げる状況となっていますので、それらと比較すると当社はまだまだ、道半ばであるといえます。

 

‐電子部品各社とも、スマホ一辺倒ともいえる戦略からウエアラブル機器、次世代自動車、IoT、ビッグデータと早やくも、構造転換を見越した事業転換に動き始めるなど、変化の兆しがみえ始めていますが、今年から来年にかけての事業見通しをどのようにみていますか。

 

小山 来年度に向けてやるべきことは、今年と変わらないということですが、市場動向としてはやや保守的にみています。この3~4年のように簡単に右肩上がりで伸びるとは考えていません。取り組んできた環境・エネルギー、自動車、医療などは一応、堅調ですが、一昨年や昨年までのような大きな伸びがあるかどうかは疑問。グローバルでの政治的、経済的、社会的な不安定性が強まっていることもあり、企業の投資意欲に影を投げかけています。今、ようやく全事業が黒字転換したところであり、余り高望みをせずに、来年度は売上で5%程度の成長を計画していますし、収益についても同様に「固めに」にみています。

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■トップインタビュー

2016年6月5日号

●株式会社三徳 代表取締役社長 岡田力氏 

「レアアースとレアメタル事業を基盤にした三徳のもつ高機能金属技術のポテンシャルを積極的にアウトプットすることによって、新たな事業化への糸口につなげて行きたい」と話すのは、株式会社三徳の岡田力社長。「これまで、どちらかというと社内にある潜在的な技術力を外部に向けて発信するということは少なかったのですが、昨年の大阪と今年4月に東京で開催された高機能金属展に出典しました。展示会への参加は、久しぶりのことですが、持てる技術を多様な形で外部に提案することによって、中期的に製品化・事業化展開を加速しようと考えており、展示会への参加もそうした思いの一環です」と、社外に向けて〝チャレンジする三徳〟を前面に打ち出す。一方では、和歌山レアアースを傘下に収め、既存事業の強化拡大に加えて、「C」(炭素)から「H」(水素)へのグローバルなエネルギー転換の動きを捉え、国家戦略への積極的な参加、或いは大学との連携、企業間の提携など、多面的な企業活動を展開する方針を語る。中期事業戦略を軸に事業の柱であるレアアース、レアメタルの動向、さらには関連事業の現状と今後の見通しなどを岡田社長に聞いた。

 

 ―昨年から中期5カ年計画をスタートし、その1年目に早速、ネオジム磁石合金の事業戦略強化の一環として、新日本電工グループとの間で和歌山レアアースの譲渡契約を結び、昨年11月には子会社化を完了、磁石合金事業のボリュームを大幅に拡大、国内最大手の地位を一段と強化しました。

 

岡田 日本電工と中央電気工業の経営統合により、新日本電工グループを立ち上げられるなかで、事業の選択と集中に踏み切られた結果、弊社にネオジム磁石合金事業譲渡の打診があり、昨年、中央電気工業・和歌山工場のネオジム磁石合金事業を切り出し、和歌山レアアースを設立、譲渡の具体的な交渉を行ってまいりました。その結果、昨年11月には最終合意に達し、後に公正取引委員会の了解を経て、弊社が80.73%、双日が20%弱の出資比率で、和歌山レアアースを弊社の子会社化しました。弊社の培ってきたネオジム磁石合金事業と和歌山レアアースの有している製造技術を融合、国内外での事業経験を生かした「シナジー効果」を発揮し、グローバルでの事業拡大に結びつけていきたい。

 

―子会社化の直後、和歌山レアアースの資本金を1億円から3億5000万に増資、事業体制の整備にも取り組んでいますが、今回の新たな国内拠点の確保に加えて、予ねてから展開している中国でのネオジム磁石合弁事業を併せて、グローバルな供給体制が大幅に拡大します。

 

岡田 和歌山レアアースの子会社化で、弊社グループのネオジム磁石合金事業のウエイトトが大幅に拡大し、売り上げに占める比率も大きくなります。中国内事業は、一昨年、能力増強を行い、需要増への対応を図りましたが、残念ながら2015年は中国市場が低迷しており、弊社の合弁事業もぎりぎり黒字を計上する業績にとどまりました。

そうしたなかで、磁石合金事業での今年の課題は、和歌山レアアースと弊社の技術の相乗効果を発揮し、「両社の顧客に対して、統合のメリットをどのように還元して行くのか」ということにあると思います。この課題に対して、スピード感をもって取り組むことにしています。新日本電工グループからは、中央電気工業がベトナムに進出、設立したレアアースのリサイクル事業譲渡の打診もありましたが、弊社は国内で独自のレアアース、レアメタルリサイクル技術を有していまして、他社技術を導入したベトナム工場とのマッチングは難しいと判断しましたほか、弊社の有していますマンパワーの面からも、あまりにも過大かなとの思いもありましたので、お断りしました。

 

―中期計画の初年度から、〝岡田流〟の積極経営がヒットしていますが。

 

岡田  中期経営計画では、5年で「安定的、持続的に成長する」ことが大きなテーマです。また、これまで展開してきた事業の「収穫期」と位置づけています。同時に次の戦略事業への種まきを行う。さらに、エンドレスの課題である財務体質の改善を図り、次の投資に備えるということが狙いになります。

 

―環境・エネルギー関連での御社のポテンシャルは、ジルコニウム系触媒材料などの排ガス触媒用材料、磁気冷凍材料、最軽量マグネシウム合金、燃料電池材料、AB5やBCCといった水素吸蔵合金、空気電池用陽極触媒など、非常に高いものが揃っています。

 

岡田 これらの製品を成長の原動力に据え、中期計画で事業の柱に育て上げることが目標となっています。そのためにも、外向きの提案を積極的に推進することに力を入れ始めているところです。久し振りの展示化への出展もそうした狙いからです。実際、展示会を通じて思わぬ企業からの問い合わせや依頼なども舞い込んでいます。

 

―将来的な世界のエネルギー供給の動きが、「炭素」(C)から「水素」(H )へ舵を切り始めていますが、これらの新規分野でレアアース、レアメタルの新たな出番を期待させる研究も広がっています。水素社会を目指し、国家戦略として推進している燃料電池開発では、電池の大幅なコストダウンが普及への一里塚となります。

 

岡田 低コスト燃料電池に不可欠な白金代替技術として、助触媒にランタンやセリウムを使った研究開発が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によって進められています。弊社も燃料電池関連では、炭化水素の水蒸気改質触媒、アニオン伝導固体電解質などの開発を行っており、これらの潜在的な力を製品化に向けて、多様な取り組みを目指すことにしています。

また東芝などが、風力発電などの自然エネルギーを活用、この電気で液化水素を製造し、燃料電池向けの供給を行う実証実験が始まっています。そこでは、製造後の水素の輸送手段として液化水素ボンベが使われていますが、どうしても体積が大きくなってしまうという課題があります。弊社の得意とする水素吸蔵合金を使えば、「コンパクト化」が実現します。レアアースを活用した高容量で高機能な水素吸蔵合金への研究開発の推進は、水素社会の発展にとって大きなインパクトを持っていますので、活用を期待しています。また、リチウムイオン二次電池用正極材を事業化していますので、電力貯蔵分野での潜在力を有しています。

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■R&Dインタビュー

2015年12月25日号

●国立研究法人物質・材料研究機構 関口隆史グループリーダー

世界初のシングルシードキャスト法で、「高品質」、「低価格」の単結晶シリコン(モノシリコン)成長に成功

世界の太陽光発電ビジネスは、供給過剰な低品質多結晶シリコンをダンピング戦略で世界に〟垂れ流す〟中国に席巻され、日、独などの有力企業が撤退に追い込まれたほか、事業環境は低収益を迫られている。かつては世界のリーダーだった我が国が、太陽光発電ビジネスの主導権を中国から取り戻すには価格競争力のある結晶シリコン太陽電池技術を開発することが必要不可欠である。この目的に沿って、2010年度からNEDOプロジェクト「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」が開始され、「高品質」、「低価格」の単結晶シリコン(モノシリコン)の育成を柱とした太陽電池技術の研究が推進されてきた。ここにきて、NEDOプロジェクトで従来の鋳造法に比べ、太陽電池向けモノシリコン結晶の品質を飛躍的に向上することに成功したのが、国立研究法人物質・材料研究機構MANAナノエレクトロニクス材料ユニットグループの関口隆史グループリーダーと九州大学の柿本浩一教授らの研究グループ。我が国の巻き返しの期待が高まる「シングルシードキャスト法」によるモノシリコンの開発に取り組んできた物材機構の関口隆史チームリーダーに新生産プロセスの優位性や将来性などについて聞いた。

 

世界に先駆けて開発したシングルシードキャスト法は、従来の鋳造法に比べて太陽電池向けモノシリコン結晶の品質を飛躍的に向上、シリコン太陽電池の高効率化とコストダウンが見込めるほか、結晶中の酸素濃度を6ppmにまで大幅に低減、FZ(フローティングゾーン)法シリコン単結晶に迫るパワーデバイス向けの大型結晶の供給への期待が高まってくるなど、太陽電池向けのみならず、我が国が世界をリードするパワーデバイス向けへの発展が予想されていますが。

 

関口 太陽電池の主流であるシリコン系太陽電池は、変換効率が20%に達しており、今後の開発は、付加価値を高めるために、一段の高効率化が求められている。一方、汎用の低価格太陽電池には、MC-シリコンと呼ばれる多結晶シリコンが使われているが、変換効率が16%から18%と1割から2割低い。

高品質、高変換効率の太陽電池としては、半導体シリコン単結晶(CZシリコン)を使って、変換効率20%を超える製品が製造されているが、多結晶シリコンに比べると価格が大幅に高いことが課題。しかし、従来の鋳造多結晶シリコンではこの目標値を実現することが不可能である一方、半導体用の無転位単結晶シリコンでは価格競争に勝ち残れないため、多結晶シリコン、半導体単結晶シリコンに代わる「第3のシリコン材料」の開発が望まれていた。

そこで、この問題を解決するため、NEDOプロジェクトで種結晶を使ったシリコンの鋳造法である「シングルシードキャスト法」を新たに開発し、結晶の品質が良く不純物の少ない単結晶シリコン(モノシリコン)インゴットを育成することに取り組んできた。開発した新たな鋳造法は、るつぼの中でシリコンを溶解し、小さな種結晶から大きな単結晶を成長させる技術で、半導体シリコン単結晶の作成法に比べて、原料コストと製造コストの両面でのコストダウンが可能である。

 

シリコン結晶の溶解には、一般的に石英坩堝が使われますが、坩堝の材質は何を使われているのでしょうか。今後、さらに大型結晶化へ向けたルツボの課題は。

 

関口 坩堝には石英を使っている。現在、多結晶鋳造用に1メートル角の坩堝も製造されているので、石英坩堝に関しては技術的な困難さは、あまりないと考えている。

 

多結晶シリコンでは、高純度の金属シリコンが使われますし、半導体CZシリコン単結晶ではイレブンナインの超高純度多結晶シリコンが原料となります。今回のモノシリコン結晶成長は、投入原料として何を使われているのでしょうか。

 

関口 半導体CZシリコンの端材が多い。高純度金属シリコンを使う場合には、ボロンやリンの濃度がわかっていることが条件となる。補償が大きいものは、効率を上げるのは難しいと思う。

 

シングルシード法による高品質モノシリコンの主要な成長条件は、3次元的なきめ細かな温度管理とも推測できますが、量産化にも向く技術なのでしょうか。

 

関口 電気炉の熱設計が最適化されれば、あとはプログラム通りの温度履歴で結晶ができるところが一番の特徴である。鋳造法は、高温で溶解したシリコンを坩堝の中で固化させるもので、半導体材料として用いるCZ法やFZ法と違って、結晶育成中に監視する必要がないため人件費が省けるなど、製造コストの低減が可能。開発したシングルシード法は、種結晶を坩堝底全面に敷くのではなく、中心に置いた一個の種結晶から大きな単結晶を成長するもので、原料コストを抑えることができる。

 

今回試作に用いた設備で50センチメートル角のモノシリコンインゴットまでの成長が可能とされているほか、一般的な太陽電池の量産ラインへ組み込むことができるとされていますが、種結晶を含めた一回当たりの原料投入量と結晶の成長速度を教えて下さい。

 

関口 原料投入量は、50センチメートル角のモノシリコンが得られる結晶の厚みが10センチメートルで約60キログラム、20センチメートル高さでは約120キログラム。結晶の成長速度は、通常の鋳造結晶と同程度である。

 

電力必要量は一回当たりどの程度なのでしょうか。また、それは多結晶シリコンの一般的な製造法であるシーメンス法や半導体単結晶シリコンの製造法のCZ法と比べ、削減可能でしょうか。

 

関口 多結晶シリコンの鋳造炉に準じた電力を投入している。シード法モノシリコンは溶解時に、多結晶を成長させる場合より少し長い時間をかけるので、その分電力は少し増加する。コストダウンは、断熱性能を更に強化し最適化することで可能と思う。

CZ炉では、結晶育成に伴って融液量が減少するのでパワーを増大させる必要があるのに対し、鋳造炉では、結晶育成に伴ってパワーを減少させて行くことや、一度に、CZ炉の約10倍の大面積の結晶を育成することができることなどで、電力的には有利である。(50cm角の場合、約10倍)

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■R&Dインタビュー

2015年11月25日号

東京大学生産技術研究所 増野敦信助教

「鋼に近い高弾性」、「高屈折率」を発現する酸化物ガラスで、ニューガラスのフロンティアを切り開く

これまでガラスにならないと思われていた、酸化アルミニウム(AlO3)と酸化タンタル(TaO5)のみからなる新しい組成のガラスの世界初の合成に成功したのが、東京大学生産技術研究所 増野敦信助教。得られたガラスは無色透明で酸化物ガラスの中で最高の弾性率を有している。局所構造解析を行ったところ、アルミニウム原子周囲の構造が、一般的なガラスとは大きく異なること、そしてその結果として、充填密度が非常に高くなり、極めて高い弾性率となっていることを突き止めた。開発したガラスは「ガラスよりも、鋼に近い値」を示しており、薄くしても丈夫な新素材として、エレクトロニクス用基板、建築材料、カバーガラスなどへの応用が見込まれている。同助教は、アルミニウムータンタル以外にも、希土類ーニオブ、希土類―チタン、希土類―アルミなど一連の“ニューガラス“の開発でも成果をあげ、類をみない高屈折率ガラスとして企業との共同研究を経て、商品化に動き始めており、一躍脚光を浴びている。英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」にも掲載された今回の成果について増野助教に聞いた。

 

―これまで、酸化アルミニウムを主成分とする単純な組成ではガラス化しないとされてきましたが、今回、成功したポイントは。

 

増野 酸化アルミニウムと酸化タンタルとをほぼ1:1の組成で混ぜ、無容器法を適用することで、無色透明なガラスにすることができたところである。具体的には、酸化アルミニウム粉末と酸化タンタル粉末を予めほぼ1:1で混ぜて固めたものをノズルからガスで送り込み、浮遊させながら炭酸ガスレーザーを照射することによって合成した。

 一般的なガラス合成法においては、ガラス化を阻み結晶化を促進する最大の要因は、容器壁面からの不均一な核生成である。無容器法では物質を空間に浮かせた状態で合成を進めるため、壁面からの不均一核生成が極限まで抑制される。その結果、ガラスになりにくい組成でも比較的容易にガラス化することができる。

無容器状態を実現するために、今回はガス浮遊炉を用いた。円錐形のノズルから試料に対して下から鉛直方向にガスを吹き付けることで、試料を浮遊させたまま保持し、炭酸ガスレーザーを照射して試料を2000℃で溶融、合成することができた。

 

―ガラス化する酸化アルミニウムと酸化タンタルの組成変動は。どの程度まで可能でしょうか。

 

増野 理想的な組成は、ほぼ1:1である。上下5%以上組成が振れると、ガラス化しない。

 

―酸化アルミと酸化タンタル粉末は、高純度のものが必要ですか。また、粒子径は。

 

増野 今回は酸化アルミニウム、酸化タンタルともに市販の試薬級(99.9%)を使ったが、レンズなどの高級なものでは高純度であることが要求されるかも知れないが、スマートフォンのカバーガラスなどでは、ある程度の純度があればガラス化への影響はないものとみている。溶かしてしまうので粒子径も特別にそろっている必要はない。

 

―今回、合成して得られた酸化物ガラスは直径が2.5ミリメートルの球体ですが、サイズはどの程度まで可能ですか。また、量産性は。

 

増野 ガス浮遊炉を利用した無容器法の場合,ガラス化しやすい組成なら最大で10ミリメートル程度までは作ってみた。レンズのような用途であると、この大きさ程度でもそのまま使える分野もあるだろう。また、スマートフォン用のカバーガラスなど比較的大きな用途では、球体ガラスを多数作って型に入れ、ガラスが軟化する程度の温度まで高めて圧力をかけて焼結すれば、利用可能な状態を形成できるとみている。

 量産については、そこまで考えていなかったが、カバーガラスなどを作るためのいくつか別のプロセスも試そうとしている。

 

―コスト的にはいかがですか。

 

増野 装置と原料代を別とすれば、ランニングコストは僅かな炭酸ガスレーザーの電力だけなので、安価に製造することができることが特徴だ。

 

―安価で製造可能、しかも高弾性、無色透明ですから「非常に丈夫なガラス」として、幅広い分野で応用製品化が期待できそうですね。

 

増野 薄くしても丈夫な新素材として、エレクトロニクス用基板、建築材料、カバーガラスなどへの応用が見込める。

なんといっても、酸化物ガラスの中で最高の弾性率を有している。局所構造解析を行ったところ、アルミニウム原子周囲の構造が、一般的なガラスとは大きく異なること、そしてその結果として、充填密度が非常に高くなり、極めて高い弾性率となっていることを突き止めた。例えば、弾性率のひとつであるヤング率は160ギガパスカル(GPa)に達したが、これは酸化物ガラスの中で最も大きな値である。典型的な酸化物ガラスの場合は80GPa程度、鋳鉄は152GPa、鋼は200GPa程度であることと比較すると、今回新たに合成したガラスの弾性率は、ガラスよりも鋼に近いことがわかった。

 

―高弾性のメカニズムは、どうして発現したのですか。

 

増野 走査型透過電子顕微鏡(STEM)でAlとTa原子の分散状態や核磁気共鳴(NMR)でAl原子核の局所環境についての解析を行った。その結果、AlとTaが原子レベルで均一に分散していること、そして周囲の酸素の数が5であるAl原子の割合が非常に多いことがわかった。通常の酸化物ガラス中に酸化アルミニウム(AlO3)を少量添加した場合は、ほぼ4配位になり、5配位は珍しい局所構造である。

その結果として、このガラスは全体的に隙間無く密につまっていた。また、こうしたAl原子周囲の特異な局所構造は、Taという元素によってもたらされたということを提案した。AlO3-TaO5ガラスで見られたAlやTaの特徴的な振る舞いは、従来のガラス形成則の考え方からは大きく逸脱しており、そのため今回開発した高弾性率ガラスは、本質的に新しいタイプのガラスであると考えている。ガラス科学における定説に反して、今回、酸化アルミニウムと酸化タンタルのみを組成とするだけでもガラスができるになることを示した。

これはガラス科学にとって新たな材料空間が発見されたといえる。加えて、Al周囲の局所構造を制御することでさらなる新材料を生み出せる道筋が見つかった。今回の成果によって、古典的ガラス形成則を超えたところに、新しい“高充填密度”ガラスの領域があることがわかった。

 

―2013年に発見したランタンーニオブ、ランタン―チタン、ランタン―タングステンなどの一連の高屈折率ガラスへの産業界の期待も大きいようですが。

 

増野 今回の成果と同様、これまでガラスにならないと考えられていたランタン酸化物(La2O3)とニオブ酸化物(Nb2O5)のみからなる組成の新しい2種類のガラスを開発した。2種類のガラスはLa2O3の含有量が多いものとNb2O5の含有量が多いものとがあり、いずれも無色透明で、かつ2.12.2という極めて高い屈折率を示した。

 

―高屈折率ガラス実用化の見通しは。

 

増野 このガラスの光学特性は極めて優れており、超高精細、高解像度を実現する光学レンズとしての応用が期待される。2013年に発表した時は、多くの光学ガラスメーカーから共同開発の声をかけていただいた。現在進行形のものがあるが、秘密保持契約があるので多くは言えないが、商品化される時期も遠くないだろう。他の商品と差別化を図った高機能、コンパクト、高付加価値分野で実用化を目指している。

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■新春インタビュー■

2015年2月5日号

株式会社 メタルドゥ 相談役 藤田國廣氏

 

●・・・日本の景気の立ち直りは、意外と早い      

「今年の景気見通しは?」と聞かれても、答えは非常に難しいと思う。しかし、こうだと言い切れる根拠があるわけではないが、一言でいえば、「そんなに悪い経済環境ではない」とみている。それと「意外と立ち上がりは早いのではないか」と考えている。

足元はレアメタルを含めた銅、鉄、プラスチック、原油などすべてのコモディティ価格が下がってきており、レアメタルの価格も大きな影響を受けている。マクロ的には世界経済の後退局面を迎えているばかりか、政治的にはフランスのテロ事件、ロシアへの制裁、中国経済のリセッションや原油価格の下落など、挙げたらきりがないほど、不安定要因は目白押しだ。しかし、人間誰しも50年前のことは忘れてしまっても、5年前のリーマンショックを忘れたわけではないと思うだけに、これらの政治、経済課題をその都度織り込みながらバランスしようとして行くと考える。

 

●・・・2月期決算は売上、利益ともに数十パーセント増の大幅増収益となる見通し

市況下落局面では在庫は「先入れ後出し」となり、一時的に負担は増すが、現状当社の業績は順調に拡大している。2月期決算見通しは売上、利益ともに数十パーセント増の増収増益となる見通し。当社の世代は変わったが次期決算も増収益を期待している。景気の波は常に繰り返しくることは避けられない。昨年来資源価格の下落が続いているが、市況が下がれば、いずれ底を打ち上昇に転じるし、上げ相場といえども必ず天井を打つ。

どこかに必ず「ターニングポイント」があることは変わらない。確かに、その時々の「在庫のポジション」や「売買ポジション」という経営的な部分もあるが、中期的なスパンで見れば市況が下がったほうが良いこともある。いたずらにばたばたせずに、「ピンチ」は静かに受け止め、しっかり自分たちの足元をみつめながら、適切に手を打てば逆に「チャンス」を呼び込むことができる。社内でも、こうしたことを常々言ってきている。

●・・・国内最大のレアメタルリサイクル事業は、「小ロット・多品種」

大手非鉄メーカーさんのように銅や鉄のリサイクルのような大型の設備投資を行い、長期に資本を寝かせるような長期的な事業展開は、当社はなかなかできない。国内のレアメタルリサイクル市場もそうした巨額の資本投下をするようなボリュームのスクラップが集まるものではない。

レアメタルに限ってみると、当社は「国内最大級」のリサイクルシェアを有している。月間3000トン前後のスクラップを扱い、現在の評価で150億円前後の業態である。

金属リサイクル事業は、鉄や銅やアルミのような大規模な事業とコバルトやニッケル、チタンのようなレアメタルの事業に二分されている。それだけにレアメタルはニッチで要求精度の高い仕事といえる。半面、大手さんが人、モノ、金を、技術を投じるようなリサイクル金属と異なるところであり、逆に大手さんが入り難いところでもある。

当社は、レアメタルのなかでもニッケル、コバルト、チタン、タンタルなどを軸にレアメタルに特化した事業展開を続けてきている。扱い品目は細目すれば数百種類に達するが、レアメタルのリサイクル産業規模は大きくない。それだけに、「小ロット・多品種」を武器に、大手企業が参入し難い領域で我々の活躍の余地があるということを念頭に企業価値の最大化を目指している。

 

●・・・経営ポリシーは、「安定供給」と「安定価格」戦略

スクラップとバージン品とでは、サプライチェーンが大きく異なる。スクラップは製造原価がある商品ではないが、バージン品に対しては必ず価格メリットがある。このスクラップの特質を事業に結実し、「安定供給」、「安定品質」、「安定価格」そして「多品種」を前提にした事業展開を続けており、これが当社に対する「需要家の信頼」につながっていると思っている。スクラップの顧客は主としてバージン品を使い、然る後にスクラップを使うケースが大半。こうした背景を事業に組み込み、具体的には、スクラップで供給が難しい局面ではバージンを使用するという逆の方向に事業を考えたい。当社はスクラップと共にプライマリー品も扱っている。スクラップを軸に材料の供給を絶やすことはなく、ニーズがあれば、どのような形態でも販売するということが当社の経営ポリシーだ。

(談)

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