2018年12月12日 (水)

■金属時評最新ニュース 週間速報版

■■金属時評■

  「レアメタル」と「レアアース」の素材から

「アプリケーション」までの最新ニュースを伝える金属時評!!

 

■創刊:昭和33年11月15日 

■発行日:毎月5日・15日・25日 B5版16頁 

 

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■金属時評 週間速報版

2018年

12/10~(週間)

12/11

JNC、関西学院大と共同研究で新しい有機EL材料を開発 

  JNC株式会社(本社:東京都千代田区、後藤泰行社長)は、関西学院大学の畠山琢次教授との共同研究により新しい有機 EL 材料を開発し、大手ディスプレイメーカーのスマートフォンに採用された。共同開発した有機EL材料は、これまでに使用されてきた材料系とは全く異なる新しい構造を特徴とした青色発光材料。新しい青色発光材料はホウ素原子を含むヘテロ環構造を主骨格とし、電圧をかけることによって発生する光の波長の幅が従来の材料に比べ狭いことを特徴としている。これにより、発光したエネルギーロスを抑えることが可能となり、低消費電力化を実現できる。畠山琢次教授と同社の共同研究は 2011 年から開始し、2016 年には世界最高レベルの発光効率と色純度を持つ有機ELディスプレイ用青色発光材料を開発するなど、数多くの有機EL材料を生み出している。また、新しいタイプの有機EL素子に適用できる材料の開発も進めており、今後も高効率・長寿命特性を有する製品を提供することにしている。同社はこの共同開発の成果として生み出した有機EL材料を熊本県の水俣製造所にて製造する計画である。

12/11

国立情報学研とNTT、世界最速の1 600Gbps光伝送と587Gbpsのデータ転送実験に成功、先端科学技術研究で得られるビッグデータ転送の高速化に向けた600Gbps波長ネットワークとそのフル活用プロトコルの実現に目途

大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII、喜連川優所長、東京都千代田区)と東日本電信電話株式会社(NTT東日本、井上 福造代表取締役社長、東京都新宿区)と日本電信電話株式会社(NTT、澤田 純代表取締役社長、東京都千代田区)はこのたび、東京都と千葉県に実証実験用として1 600Gbpsの伝送環境を構築し、そのフルスループット(伝送路で送受信可能な最大データ量)の確認、その上での汎用サーバを用いた587Gbpsデータ転送の実現、光波長変更と伝送レート変更による伝送経路変更実験に成功した。実験では、商用環境に1波長 600Gbpsにおいて世界最長となる約102kmの伝送環境を構築し、データ転送にはNIIが開発したファイル転送プロトコル「MMCFTP」(Massively Multi-Connection File Transfer Protocol)を用い、サーバ1台での世界最速の587Gbpsのデータ転送速度を記録した。また、光ネットワークの高信頼化に向けた伝送経路切り替えでは、伝送距離を考慮し、光波長の変更に加え600Gbpsから400Gbpsへの伝送レート変更を行い、円滑な経路切り替えに成功した。

12/10

ニューカレドニア、バーレがニッケル鉱山の権益一部売却を中止し、500mUS$を新たに投資する計画を発表

JOGMECによると、伯バーレのSchvartsman CEOはニューカレドニアで操業するNi鉱山に関して権益の一部を売却する計画を破棄し、2019年から2022年にかけて500mUS$を新たに投資する計画であることを明らかにした、とメディアが伝えた。これは、今後需要の増大が期待される電気自動車に向けたValeNi供給戦略の中で、同鉱山が重要な位置づけにあることを認識したためであるとしている。報道によると、2010年から操業が開始されたValeのニューカレドニアにおけるNi鉱山は、20142016年だけでも1.3bUS$近くの損失を出している。

12/10

東北大、スピン軌道相互作用の符号反転に成功、スピン電場操作の新たな自由度開拓

東北大学などの研究グループアは、スピン干渉効果の異方性を実験と理論から詳細に調べた結果、半導体InGaAs二次元電子ガス中のDresselhausスピン軌道相互作用がゲート電圧によって符号反転することを見いだした。ピン軌道相互作用は電子スピンに有効磁場として作用するため電場操作を可能にする。従って、電子スピンに作用する磁場の大きさとその向きも電気的に制御することが可能になる。研究成果は、ヘテロ界面の電場に起因したRashbaスピン軌道相互作用と組み合わせることにより、スピン緩和抑制などさらに自由度の高いスピンの電場操作が可能となり、スピントロニクスなどに大きく貢献することが期待される。

12/10

台湾の液晶パネル4社、11月は軒並み減収

台湾の地元紙などの報道によると、液晶パネル台湾大手4社の11月の連結売上高が出そろい、パネル価格の低下を受け各社とも前年同月と前月を下回る結果となった。8日付工商時報が伝えた。 友達光電(AUO)の売上高は2574,700万台湾元(約9377,100万円)で、前月比2.8%、前年同月比6.0%それぞれ減少した。

 

 

 

12/3~12/8

12/8

理研・東大・東北大など、マルチフェロイクス材料において電流を流すことで磁化が反転する現象を観測。低消費電力エレクトロニクスへの新原理を構築

理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター強相関量子伝導研究チームと東北大学金属材料研究所の共同研究グループは、マルチフェロイクス材料において、電流を流すことで磁化が反転する現象を観測した。共同研究グループは、強誘電性を持つ半導体のGeTeに磁性元素のMnを添加したマルチフェロイクス材料「(Ge,Mn)Te」にパルス電流を加えて、磁化が反転する現象を観測した。さらに、この磁化の反転効率は試料の正孔濃度を増やすことで増大することが分かった。研究成果は、電流により磁化を制御する手法の新原理を実証したもの。今後、電流で磁気情報を書き換える低消費電力のメモリデバイスなどへの応用が期待できる。

12/7

TSMC、南科に8インチウエハー工場新設へ

台湾の地元紙によると、ファウンドリー世界最大手のTSMCの総裁兼副董事長を務める魏哲家氏は、南部科学工業園区(南科)の台南科学園区にある8インチウエハー工場「ファブ6」のそばに、新しい8インチウエハーの工場を建設すると述べたと伝えた。MEMSセンサ、CMOSイメージセンサー、パワーデバイス、RFアナログデバイスなどのIoT向けチップの中長期的な市場拡大を織り込んだ動きともみられ、今後、「More than Moore」の多品種生産に向けた6、8インチシリコンウエハーの市場の行方が注目される。

12/7

三井金属、キャリア付極薄銅箔「MicroThin」の増産起業が完了し稼働開始、マレーシア工場の増産起業が11月に完了し、新製品、新技術開発を加速

三井金属は、マレーシア工場でのキャリア付き極薄銅箔の増産を進めていたが、11月に設備の設置が完了し、12月より稼働可能となった。。マレーシア工場の生産能力は、現行の180m2から240m2となり、同社トータルの生産能力が330m2体制から390m2体制となり、需要増に対して十分対応する体制が整った。これにより将来を見据えた次世代の各種試験が実機ベースでより柔軟に実施可能となり、新製品、新技術開発の取り組みを加速させる。同社のキャリア付極薄銅箔は、微細回路形成に適した1.5μm5μmの銅箔厚みと複数種類の微細な粗化処理を組み合わせた製品。広幅ロールで出荷ができるほか、にキャリア剥離強度の安定性に優れていることから顧客の生産性向上と工程歩留向上に寄与できるため、高評価を得ている。

12/7

三井金属、中国国内に銅箔のマーケティング拠点を新たに設置 

三井金属(西田計治社長)は、中国国内に銅箔のマーケティング拠点を新たに設置した。同社のキャリア付極薄銅箔「MicroThin(商品名」は、スマートフォン等の半導体パッケージ基板や一部のハイエンドスマートフォン用HDI基板に採用されているが、今後も回路幅の細線化、更には高速通信化が進む中、ますます、このビジネスの拡大が予想される。急拡大を続けている中国市場における新規顧客の開拓や顧客ニーズの早期獲得のマーケティング機能を強化すべく、三井銅箔(香港)・三井銅箔(蘇州)に続き中国三番目の拠点として、三井金属貿易(上海)有限公司内に銅箔マーケティング部門を新たに設置することとした。

12/7

東北大など、磁気のない金属からナノ薄膜磁石を作ることに成功、超高集積不揮発性磁気メモリを実現するための材料開発に新しい視点

*磁力が微弱でも磁気を保持する力が強いナノ薄膜磁石の開発に成功。

*ナノ薄膜磁石を用いた素子の基本特性を室温で観測することに成功。

*超高集積不揮発性磁気メモリを実現するための材料開発に新しい視点。

東北大学材料科学高等研究所(AIMR)の鈴木和也助教と水上成美教授は、新しいナノ薄膜磁石の開発に成功した。超高集積不揮発性磁気メモリを実現するための材料開発に新しい視点を与えるもの。研究は、木村尚次郎准教授(東北大学金属材料研究所附属強磁場超伝導材料研究センター)ならびに久保田均総括研究主幹(産業技術総合研究所スピントロニクス研究センター)との共同研究で行われた。ナノ薄膜磁石を用いた素子の磁極の向きをビット情報とする不揮発性磁気メモリは、システム・オン・チップ等への応用が進んでおり、人工知能技術への展開も見据えて世界的な規模で研究開発が展開されている。研究グループでは、通常磁気を示さない金属を特殊な金属と絶縁体で挟み込んだ新しい界面構造を研究し、その結果、磁気を保持する力が強くかつ磁力の微弱なナノ薄膜磁石の開発に成功した。また、それを組み込んだ素子の基本特性を室温で観測することにも成功した。これは、メモリの超高集積化を進めるために重要なナノ薄膜磁石材料の開発に新しい視点を与える研究成果。

12/6

マレーシア政府が、ライナスに放射性物質45万トンの国外搬出要求

マレーシア地元紙の報道によると、マレーシア政府はオーストラリアのレアアース生産大手ライナス社がパハン州ゲベンでレアアースの精製・分離工場を操業する条件として、放射性廃棄物を国外に搬出することを求めると発表した。また、同国政府から運営継続条件として放射性廃棄物約45万トン分を国外に搬出することが求められていることが分かった。なお、この条件の詳細は報じられておらず、来年以降の同社の操業への影響も不明。今後、操業への影響が広がれば、ジジム(NdPr)への市況への国際的な影響が広がることも懸念される。

これに先立って、豪ライナス社は11月30日にマレーシアで操業するレアアース処理施設に関し、201812月の間操業を休止する計画であることを明らかにしている。これは、同社がマレーシア当局に申請済の2018年における生産量増加申請に対する認可が遅れていることに起因している、とされる。ライナス社の説明によると約400トンのジジム(NdPr)酸化物の生産が影響を受け、販売額にして16mA$の損失となり、また生産量の制限は年ごとで定められているため、201911日からの操業再開が可能であると説明している。ライナス社のマレーシアにおけるレアアース処理施設を巡っては、201810月にマレーシア政府の査察委員会が設立され、同社の操業の保安・健康・環境面や残渣物の取扱などについて査察が実施されており、1127日に査察委員会から環境大臣宛ての報告書が提出されていた。

12/6

ムーディーズ、リチウム市場は2020年代初めに供給過剰になると予測

JOGMECによると、格付け会社ムーディーズはリチウム市場を2020年代初めに供給過剰になると予測した、とメディアが報じた。EVで使用されるリチウムバッテリーの需要増加にも関わらず、20202022年にかけて新規リチウムプロジェクトが相次ぎ開始するこため。また、同社では今後10年間で業界構造が変化するとし、現在はチリ及びアルゼンチン、豪州Greenbushesリチウム鉱山といった主要な生産者がバッテリーグレードのリチウムを生産しているが、今後は豪州における新規鉱山開発及び中国企業へリシア輝石の販売、ブラジル、カナダ及び米国のサプライヤーの台頭など、業界構造は多様化すると予測した。レポートでは、業界のアナリスト及び各企業がそれぞれ2025年のEV普及率を825%になると予測している一方、Moodysでは2020年代中旬に普及率は78%になると予測。リチウムの全体需要は約650,000tになると予測した。

12/6

京大とスタンレー電気、次世代型の指向性白色光源開発に成功 

  京都大学とスタンレー電気の研究グループは、次世代型の指向性白色光源開発に成功した。広く普及している白色LEDの次の照明として、青色LEDの替わりに青色レーザーダイオードを用いる高輝度白色光源が一部実用化されています。このタイプの光源は青色レーザーと、青色を吸収して黄色に光る蛍光体からなるが、まっすぐ進む青色レーザーと全方向に光る黄色の混色が難しい問題点があった。研究グループは、金属ナノシリンダー周期アレイ構造を蛍光体基板上に作製することでこの問題を解決した。蛍光体基板からの蛍光は全方向に放たれるが、金属ナノシリンダーアレイが蛍光の方向を揃える「ナノアンテナ」として働き、青色と蛍光の放射方向を揃えることで指向性を持った白色光を作り出すことができた。また、前方方向に蛍光を集めることで、前方方向への蛍光強度はアレイのない基板に比べ最大7倍にまで高められた。理論的にはさらに蛍光強度を高められる可能性があり、今後は強度を理論に近づける研究を継続するとともに、この技術を実際の照明に組み込む研究に取り組む。

12/5

鴻海郭会長が、米中貿易戦争10年続く、サプライチェーンの見直し必要に

台湾の地元紙によると、鴻海精密の郭台銘・董事長(会長)は4日、中国福建省アモイ(厦門)で開催された企業家フォーラムに登壇し、米中貿易戦争が510年続く恐れがあるとした上で、これまでのグローバルサプライチェーン構造もこれにより見直しを迫られ、台湾業者は大きな挑戦に直面することになるとの考えを語った。

12/5

東北大、100Mb超密度書き込み速度性能を有するキャッシュアプリケーション向け128Mb密度STT-MRAMの開発に成功 

東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターの遠藤哲郎センター長(兼 同大学大学院工学研究科教授、先端スピントロニクス研究開発センター(世界トップレベル研究拠点)副拠点長、省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター長、スピントロニクス学術連携研究教育センター 部門長)のグループは、CIESコンソーシアム産学共同研究プロジェクト「不揮発性ワーキングメモリを目指したSTT-MRAMとその製造技術の研究開発」プログラム、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(研究代表者:遠藤哲郎)において、100Mb超密度で世界最高書き込み速度性能(14ナノ秒)を有するキャッシュアプリケーション向け128Mb密度STT-MRAM(磁気ランダムアクセスメモリ)の開発に世界で初めて成功致した。今回の実証実験の成功は、本学国際集積エレクトロニクス研究開発センターが推進するCIESコンソーシアム並びに、科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業によるもの。

12/5

東北大と東京エレクトロンなど、磁気ランダムアクセスメモリの高性能化と高書き換え耐性の両立に成功

*低ダメージプロセスインテグレーション技術開発による磁気ランダムアクセスメモリ(STTMRAM)の高性能化と高書き換え耐性の両立に成功

*データ保持時間の向上(128Mbの大容量メモリで8010年間の情報保持)と高書き換え耐性100億回を同時に実現

東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)の遠藤哲郎センター長(兼 同大学大学院工学研究科教授、先端スピントロニクス研究開発センター(世界トップレベル研究拠点)副拠点長、省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター長、スピントロニクス学術連携研究教育センター 部門長)のグループは、CIES コンソーシアム産学共同研究プロジェクト「不揮発性ワーキングメモリを目指したSTT-MRAMとその製造技術の研究開発」プログラム並びに科学技術振興機構産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(領域統括:遠藤哲郎)において、東京エレクトロン株式会社(河合 利樹代表取締役社長・CEO 、本社:東京都港区赤坂 5-3-1 赤坂Bizタワー )と共同で、STT-MRAM製造における低ダメージ化を図るユニットプロセスの開発を行い、更に同ユニットプロセスを組み合わせて構成されるプロセスインテグレーション技術の開発により、スピン・トランスファー・トルク型磁気ランダムアクセスメモリ(STT-MRAM)の高性能化と高書き換え耐性の両立に世界で初めて成功した。この技術は、大容量STT-MRAMの製造に適した反応性イオンエッチングを含めたユニットプロセス開発、並びに300mmウエハー対応のプロセスインテグレーション技術を構築することで高性能化と高書き換え耐性の両立を実現したもので、STT-MRAMの実用化・応用分野の拡大への道を大きく前進させるもの。

12/5

AGC、米Park Electrochemical社のエレクトロニクス事業買収を完了

AGCAGC株式会社、本社:東京、島村琢哉社長)は、7月に発表した米「Park Electrochemical」社のエレクトロニクス事業買収手続きを完了した。Park社のエレクトロニクス事業は、5Gや自動運転等の次世代高速通信に求められる「超低損失CCLCopper Clad Laminate、銅張積層板)」に関する非常に高い技術力と高品質な製品ポートフォリオを有している。米国、シンガポールおよびフランスの製造拠点をベースに、主に通信、ネットワークインフラ、自動車業界等の顧客に対してグローバルに事業を展開している。今回の買収により、Park社の製品、技術・ノウハウ等とAGCの有するフッ素やガラス材料等を融合することでハイエンドCCL市場の顧客ニーズを取り込む。

12/5

住友金属鉱山と住友商事、カナダの資源メジャーのテック社保有のチリ「QB銅鉱山」の権益を取得 

住友金属鉱山株式会社(東京都港区、野崎明代表取締役社長)および住友商事株式会社(東京都千代田区、兵頭 誠之代表取締役社長)は、カナダの資源メジャー企業であるテック・リソーシズ社(Teck Resources Limited 本社:カナダ ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市)が保有するチリ・Quebrada Blanca銅鉱山の権益のうち30%について、住友金属鉱山が25%、住友商事が5%の権益を取得することでテック社と合意した。住友金属鉱山および住友商事は、テック社と1997年から2009年までポゴ金鉱山(米国アラスカ州)を共同経営するなど、長年にわたりパートナーシップを維持している。今回テック社は、保有するQB銅鉱山の90%の権益の中から30%を売却することとなり、住友金属鉱山と住友商事が応じることになった。住友金属鉱山は長期ビジョンにおいて銅権益生産量30万トン/年を目標としており、QB銅鉱山の生産開始により、その目標を達成する見込み。

12/5

東芝デバイス&ストレージ、コンシューマー向け内蔵ハードディスクに14TB12TBの大容量モデルを追加。ヘリウム充填により低消費電力も実現

東芝デバイスは、東芝ブランドのコンシューマー向け3.5型内蔵ハードディスク「N300 NASHard Driveシリーズ」と「X300 Performance Hard Driveシリーズ」に記憶容量14TB12TBの大容量ラインアップを追加し、20192月より順次出荷を開始する。新製品の14TBモデルと12TBモデルは、ディスク回転数7,200rpm、バッファサイズは256MBを搭載している。さらに、内部に空気より軽いヘリウムが充填されており、ヘッド浮上やディスク回転を従来モデルよりも安定させることができる。従来品の10TBモデルに比べると、14TBモデルは40%の大容量化と30%の低消費電力化を実現した。ヘリウム充填には、実績のある当社のレーザー溶接技術が採用されている。

12/4

Hastings Technology社、WAYangibana希土類プロジェクトのオフテイク契約を中国企業と締結 

JOGMECによると、豪Hastings Technology社はWA州で推進するYangibana希土類プロジェクトに関し、中国Sky Rock Rare Earth社と混合炭酸希土類のオフテイク契約を締結したことを発表した。この契約により、Sky Rock Rare Earth社は2,500t/yの混合炭酸希土類を5年間引き取る権利を有することとなる。同プロジェクトは2017年にDFSが完成しており、CAPEX335mA$で年間15ktの混合炭酸希土類が生産されることが見込まれている。

12/3

三菱マテリアル、高硬度鋼旋削加工用CBN材種“MB8100シリーズ”を発売

三菱マテリアル株式会社加工事業カンパニー(中村伸一カンパニープレジデント、住所:東京都千代田区大手町)は、高硬度鋼旋削加工用CBN材種“MB8100シリーズ”を販売開始した。高硬度鋼旋削加工用CBN材種“MB8100シリーズ”は、“超微粒バインダー”の採用により、高硬度鋼旋削加工において突発的な欠損を防止し、安定した切削加工を可能にするノンコートCBN材種です。発売済の高硬度鋼旋削加工用コーテッドCBN材種“BC8100シリーズ”に加え同シリーズを発売することで、高硬度鋼旋削加工での材種選択を拡大する。

高能率加工用両面インサート式ラジアスカッタ “WJXシリーズ”にインサート材種を追加発売

高能率加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”のインサートに鋼・ステンレス鋼転削加工用CVDコーテッド超硬材種を追加し、販売開始した。 高能率加工用両面インサート式ラジアスカッタ“WJXシリーズ”は、独自逃げ面形状の両面インサートを採用し、ネガインサートの経済性、高強度とポジインサートの切れ味、多機能性を融合させた荒切削領域用のカッタ。インサートに鋼・ステンレス鋼の高速切削加工に適した、CVDコーテッド超硬材種「MC7020」を追加し、使用領域を拡大する。

12/3

JNC、リチウムイオン二次電池向けの負極材料添加剤の共同開発企業(米国)へ出資 

JNC株式会社(東京都千代田区、後藤泰行社長)は、負極材料添加剤の共同開発先であるNanoGraf Corporation(法的所在地:アメリカ合衆国デラウェア州、CEO:Samir Mayekar、旧社名 SiNode Systems,Inc.)250USDを出資した。同社グループは、リチウムイオン二次電池向けの負極材料添加剤の研究開発をすすめており、2015年度より米国ベンチャー企業のNanoGraf Corporation社と共同開発を実施してきました。両社技術の組み合わせにより、顧客ニーズを満たせる見通しが得られたためしたもの。両社で開発している負極材料添加剤は、革新的な層状構造のシリコンとグラフェンの複合技術を用いている。それによりリチウムイオン二次電池の高容量化と、充放電を繰り返しても容量が落ちにくい長寿命化が可能となり、従来のリチウムイオン二次電池よりも1回の充電で長時間使用でき、なおかつ寿命も延ばすことができる。今後、市場拡大が期待されるリチウムイオン二次電池への優れた部材供給を行うとともに、安定した品質の一層の向上を目指し積極的に取り組む。

12/3

三菱マテリアル、アルミワイヤーハーネスのコネクター端子用防食めっき技術を開発 

三菱マテリアル株式会社(小野直樹社長)は、連結子会社である三菱伸銅株式会社(堀和雅社長)と共同で、自動車の軽量化への貢献が期待されているアルミワイヤーハーネスのコネクター端子用防食めっき技術を開発した。開発した防食めっき技術は、アルミに近い腐食電位和を持つ亜鉛と、従来から銅合金端子の表面処理に用いられている錫(sn)を積層し、錫めっき表面に亜鉛を拡散させためっき構成となっている。錫めっき表面の腐食電位をアルミのもつ電位に近接させ、銅合金端子とアルミ電線との間の腐食電位差を制御してガルバニック電流を長時問にわたって大幅に抑制できる。さらに、銅合金端子の防食めっきは従来から錫が主成分であることから、これまでの錫めっきと同等の電気的接続信頼性も確保している。また、各種銅合金に適用できる技術である。近年、燃費向上によるC02削減を目的として自動車の軽量化が強く求められ、その実現に向けて自動車のワイヤーハーネスのアルミニウム化が注目されている。アルミワイヤーハーネスは、銅合金製のコネクター端子とアルミ電線で構成されていが、その接続箇所にガルバニック腐食が発生して接続信頼性が低下するという問題点があった。銅合金端子とアルミ電線の間で発生する腐食の防止処理は、製造コストが大きくかさむとともに、銅合金端子の小型化の阻害要因にもなるため、ワイヤーハーネスのアルミ化を進める上での大きな課題となっていた。

12/3

日立金属、耐食性・耐土砂摩耗性に優れた硬質粒子分散型クロム基合金を開発、地下資源掘削機器の長寿命化、保守作業の軽減に寄与

日立金属株式会社は、株式会社日立製作所の研究開発グループの協力のもと、地下資源を採掘する機器向けに耐食性、耐土砂摩耗性、施工性に優れた硬質粒子分散型クロム基合金を開発した。掘削機器の部品表面に本合金を肉盛することで、機器の長寿命化や保守作業の軽減に寄与する。具体的には、日立製作所が開発した耐食性に優れたクロム基合金をベースにして、硬質粒子を分散させて耐土砂摩耗性を向上させたもの。金属生地中には高濃度のクロムを含有しており、高いレベルでの耐食性を維持しており、かつ土砂よりも硬度の高い硬質粒子を分散させることで、耐土砂摩耗性を向上させている。コバルト基合金に比べ10倍以上の耐食性と2倍以上の耐土砂摩耗性を兼ね備えていることを社内試験で確認したことに加え、溶接施工後も割れが生じないことを確認した。

12/3

出光興産、中国の成都市内に有機EL材料製造工場を建設 

出光興産(本社:東京都千代田区、木藤俊一社長)は、中国における有機 EL 材料のさらなる需要拡大に備え、中国成都市内に、有機 EL 材料製造工場を建設すると共に、顧客への技術支援を強化する。中国の生産拠点は、生産能力が年産12トンで、日本、韓国に次ぐ、第三の製造拠点となる。商業生産開始は、2019 年度第 4 四半期を予定している。スマートフォンや大型テレビ等、多くの製品に有機 EL ディスプレイの採用が進んでいる。中国においては、政府が推進するディスプレイ産業の振興政策を背景として、大手ディスプレイメーカー各社による有機 EL ディスプレイ製造設備への投資が加速しており、今後、有機 EL ディスプレイ生産国として著しく成長する見込み。

 

2018年11月26日 (月)

■決算概況

●非鉄金属

*古河機械金属

20193月期第2四半期決算(連結)  11月7日

・売上862億円前年同期比7.7%増、営業利益39億円同1.0%減、経常利益42億円同11.2%減、純利益29億円同19.2%増

20193月期予想:売上1740億円同3.8%増、営業利益70億円10.5%減、経常利益61億円同24.7%減、純利益40億円同16.2%減

*住友金属鉱山

20193月期決算第2四半期(連結)  118

・売上4,666億円前年同期比6.0%増、税引前利益732億円同51.7%増、四半期利益619億円同59.8%増、純利益580億円同51.7%増

20193月期予想:売上9,090億円同2.2%減、税引前利益1,070億円同1.2%減、純利益810億円同10.2%減

*三菱マテリアル

20193月期決算第2四半期(連結)  116

・売上8,552億円前年同期比17.9%増、営業利益275億円同24.4%減、経常利益330億円同16.4%減、純利益148億円同26.3%減

20193月期予想:売上16,660億円同3.8%増、営業利益530億円同27.2%減、経常利益640億円19.6%減、純利益250億円同27.7%減

*DOWAホールディングス 

20193月期第2四半期決算(連結)  119

・売上2,218億円前期比1.2%増、営業利益93億円同36.2%減、経常利益128億円同25.6%減、純利益88億円同24.2%減

20193月期予想:売上4,550億円同0.1%増、営業利益245億円同20.8%減、経常利益300億円同17.5%減、純利益210億円同15.0%減

*三井金属鉱業

20193月期第2四半期決算(連結)  119

・売上2,506億円前年同期比3.4%増、営業利益92億円同52.4%減、経常利益110億円同37.3%減、純利益45億円同57.1%減

20193月期予想:売上5,067億円同2.4%減、営業利益245億円同50.5%減、経常利益240億円同113.5%増、純利益140億円同―

*JX金属

20193月期第2四半期決算(連結)  117

・売上5,176億円前年同期比14.8%増、営業利益406億円同39.5%増

 

 

●スパッタリングターゲット

*フルヤ金属

20196月期第1四半期決算(連結)  116

・売上57800万円前期比13.8%増、営業利益152,800万円同131.4%増、経常利益155,500万円同131.7%増、純利益87,700万円同84.5%増

20196月期予想:売上229億円同8.0%増、営業利益366,000万円同6.5%増、経常利益363,000万円同5.2%増、純利益254,000万円同6.9%増

 

●めっき

*日本高純度化学 

20193月期第1四半期決算(非連結)  1023

・売上549,800万円前年度比9.3%増、営業利益55,000万円同0.2%減、経常利益62,600万円同3.8%増、純利益45,500万円同78%増

20193月期予想:売上102億円同4.4%減、営業利益113,000万円同4.8%増、経常利益123,100万円同4.3%増、純利益86,100万円同3.7%増

 

 

●チタン

*東邦チタニウム 

20193月期第2四半期決算(連結)  1031

・売上201億円前年度比13.3%増、営業利益25億円同31.7%増、経常利益28億円同49.9%増、純利益22億円同75.1%増

20193月期予想:売上412億円同10.6%増、営業利益51億円同29.8%増、経常利益50億円同43.1%増、純利益41億円同20.8%増

*大阪チタニウムテクノロジーズ 

20193月期第2四半期決算(非連結)  1030

・売上195億円同7.9%増、営業利益8億円同95.9%増、経常利益13億円同215.5%増、純利益3億円同50.4%増

20193月期予想:売上446億円同2.7%増、営業利益18億円同45.8%減、経常利益21億円同25.3%減、純利益8億円同56.9%減

 

 

●シリコンウエハー

*信越化学工業 

20193月期第2四半期決算(連結)  1026

売上7,917億円前年同期比13.9%増、営業利益2,092億円同33.9%増、経常利益2,171億円同35.5%増、純利益1,588億円同43.4%増

20193月期予想:売上1兆5,600億円前年同期比8.2%増、営業利益3,900億円同15.8%増、経常利益4,000億円同17.5%増、純利益2,900億円同8.9%増

*SUMCO

201812月期第3四半期決算(連結)  117

・売上2,424億円前年同期比27.3%増、営業利益642億円同123.1%増、経常利益627億円同158.8%増、純利益426億円同156.7%増

201812月期予想:売上3,264億円同25.2%増、営業利益852億円同102.4%増、経常利益827億円同125.3%増、純利益571億円同111.4%増

*フェローテックホールディングス 

20193月期第2四半期決算(連結)  11月14

売上452億円億円前年度比5.2%増、営業利益50億円同12.7%増、経常利益48億円同26.1%増、純利益28億年22.9%増

・平成303月期予想:売上920億円同1.5%増、営業利益98億円16.2%増、経常利益85億円18.7%増、純利益53億円97.9%増

 

 

●再生シリコンウエハー

*株式会社RSテクノロジーズ

201812月期第3四半期決算(連結)  1113

・売上1862,000万円前年同期比136.5%増、営業利益39億円7,000万円同91.9%増、経常利益428,000万円90.4%増、純利益238,000万円58.7%増

201812月期予想:売上2552,000万円同132.2%増、営業利益55億円同78.8%増、経常利益581,000万円同80.2%増、純利益311,000万円同40.7%増

 

 

●多結晶シリコン

*株式会社トクヤマ 

20193月期第2四半期決算(連結)  1031

・売上1,526億円前年同期比4.5%増、営業利益170億円同9.8%減、経常利益154億円同1.5%減、純利益128億円同―

20193月期予想:売上3,280億円同6.5%増、営業利益380億円同7.9%減、経常利益340億円同6.1%減、純利益20億円同37.1%増

 

●ウエハー加工

*フジミインコーポレーテッド

20193月期第2四半期決算(連結)  112

・売上191億円前年同期比10.0%増、営業利益28億円同22.9%増、経常利益30億円同35.8%増、純利益23億円同41.1%増

20193月期予想:375億円同4.8%増、営業利益53億円同8.8%増、経常利益56億円同18.4%増、純利益42億円同39.5%増

*中村超硬

20193月期第2四半期決算(連結)  11月14

・売上243,000万円前年同期比58.7%減、営業利益305,000万円(損失)―、経常利益306,000万円(損失)―、純利益835,000万円(損失)―

20193月期予想:売上50億円同58.8%減、営業利益38億円(損失)-、経常利益39億円(損失)-、純利益93億円(損失)-

*タカトリ

20189月期決算(連結)  119

・売上726,300万円前年同期比1.5%増、営業利益4億1,500万円同79.9%増、経常利益47,000万円39.3%増、純利益39,300万円同24.2%増

20199月期予想:売上73億円同0.5%増、営業利益17,200万円同58.6%減、経常利益22,100万円同53.0%減、純利益17,100万円同56.8%減

 

 

●レアアース

*第一稀元素化学工業

20193月期第2四半期決算(連結)  1112

・売上1369,000万円前年同期比14.3%増、営業利益224,000万円同21%増、経常利益232,000万円同9.1%増、純利益159,000万円同9.5%増

20193月期予想:売上280億円同9.6%増、営業利益41億円同11.5%減、経常利益41億円同5.9%減、純利益29億円同2.4%減

 

●磁石

*日立金属

20193月期第2四半期決算(連結)  1025

・売上5,189億円前年同期比7.6%増、調整後営業利益330億円同2.8%増、営業利益35733.5%増、経常利益372億円同32.9%増、純利益280億円同42.8%増

20193月期予想:売上1200億円同3.2%増、調整後営業利益730億円同12.1%増、経常利益645億円同37.2%増、純利益48013.7%増

*愛知製鋼

20193月期第2四半期決算(連結)  1031

・売上1,237億円前年同期比8.7%増、営業利益55億円同20.7%減、経常利益58億円同19.4%減、純利益37億円同28.4%減

20193月期予想:売上2,551億円同8.0%増、営業利益100億円同15.4%減、経常利益100億円15.1%減、純利益65億円同20.6%減

 

金属リサイクル

*アサカ理研

20189月期(10月~9月)(連結)  119

・売上876,000万円前期比4.6%増、営業利益33,000万円同62.0%増、経常利益33,000万円同60.1%増、純利益23,000万年同14.1%減

20199月期予想:売上874,000万円、営業利益24,000万円同26.6%減、経常利益23,000万円同29.2%減、純利益18,000万円同23.3%減

■詳しくは金属時評本誌で

 

2018年8月23日 (木)

■金属時評見本誌










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2018年7月28日 (土)

■講演会 第84回レアメタル研究会 2019年1月11日(金)開催

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2017年4月 8日 (土)

■金属時評本誌 インタビュー過去記事

■■インタビュー集

■トップインタビュー

2016年11月5日号

●RSテクノロジーズ 取締役事業本部長・本郷邦夫氏

今春、台湾に月産10万枚の300ミリ再生シリコンウエハー工場を新設したRSテクノロジーズ。全額出資子会社での生産が早くも、「フル稼働に迫る80%操業に入っている」という。台湾の世界最大のファウンドリ―企業のTSMCやUMCなどの生産は好調で、「すぐというわけではないが、早晩、増設することになるだろう」と話すのは、同社の本郷邦夫取締役事業本部長。半導体全般は、やや調整気味とみるが、DRAMが比較的調子が良いほか、市況が上向いている状況であり、目先はまずまずとみている。今年上期は、熊本地震の影響で、三本木工場はフル稼働となっていたが、下期はまだ見通せない状態。しかし、それ以上に台湾の隣の中国の動きに眼を光らせる。中国の半導体投資が「灼熱」状態化しているからだ。「300ミリ工場の立ち上がりに対応し、認定は逐次進めて行く。それに沿って、2018年頃には現地生産が必要になるかもしれない」(同取締役)と分析している

 

―WSTSが2016年春季半導体市場予測で、今年の世界の需要見通しを前年比2.4%減と見込んだほか、ここにきてTSMCが、今年の成長見通しを2%から1%程度に下方修正するなど、半導体景気はやや調整気味ですが。

 

本郷 世界的な半導体景気動向は、確かに余り良くはない。ただ、DRAMはまあまあの状態だと思われるし、DRAM市況も上向き傾向にある。「楽観」はできないが、目先はまずまずというところ。再生シリコンウエハー事業は、台湾が早くも80%稼働を達成した。

 

―ところで、中国の半導体ビジネスが活況を呈しています。2020年には5割の自給率を目指すという壮大な半導体国家計画が本格化しているためで、かつての太陽電池、ディスプレイに次ぐ「灼熱状態を」迎えているようですが。

 

本郷 今春、「武漢新芯集成電路製造」(XMC)は、湖北省武漢で240億ドルを投じたNAND新工場の建設に着手した。同社は、2030年にはNANDや3DNANDで東芝を凌駕すると公言しているようですね。これに代表されるように、300ミリウエハー工場の新設計画が目白押しである。台湾のTSMCが全額出資で中国に初めて単独で3700億円を投じて、南京に最先端の300ミリウエハーを流す半導体工場の建設に着手した。また、同UMCが福建省厦門で着工した300ミリ工場は今年12月から量産に入るとされるほか、Powerchipが合肥で300ミリ対応の工場を建設中であること、および米国のグローバルファウンドリーが四川省重慶に進出するなど、大手3社が中国で揃い踏みの300ミリ対応の半導体工場建設を競っている。最近、仕事で安徽省合肥に出かけたが、BOEが長さ2キロメートルにも及ぶ巨大な液晶ディスプレイの最新工場を建設していた。そのパワーには眼を見張る思いである。

 

―今年の8月初めに、そのXMCを巡る中国の半導体企業同士のM&Aとして初めての大型買収が行われ話題となりました。この買収劇は、中国の半導体設計大手の清華紫光集団が、国内半導体メーカー最大手の一つであるXMCの株式の過半を取得、「中国最大の半導体メーカーが誕生した」という出来事です。これによって、〝中国最大〟の半導体持ち株会社「長江存儲科技」が誕生しました。新資本金は189億元(約2800億円)になるということです。

中国は半導体を年間約2000億ドル(約20兆円)以上、輸入しており、2013年には原油を上回る中国最大の輸入商品となりました。しかも、半導体分野では世界最大の貿易赤字国でもあります。このため、ハイテク産業のシンボルである半導体産業の育成を最優先課題に掲げ、2020年までに自給率5割を目指した国家プロジェクトがスタートしています。

 

本郷 中国の半導体自給率を高める戦略のなかで、遅れているのがシリコンウエハーや半導体材料、半導体製造用の特殊ガス事業である。これらは、半導体ビジネスの研究開発にスペックインして、成り立つ事業である。そのため、現状では最先端の半導体工場がわずかしかないために、ほとんど育っていない。そのため、2020年の段階では半導体の50%の自給率に対して17~18%にとどまるとみられているようだ。

 実際、シリコンウエハーでは6インチ以下しか自給できていない。わずかにある8インチでも、かつて日本から進出した企業が撤退し、その後を引き受けた日本企業が量産している以外は、事実上存在していない状態。6インチまでは、海外の技術者を引き抜くほか、退職後のエンジニアなどの協力で量産化できたが、6インチから8インチへの「ハードル」が極端に高く、容易に超えられないとみられている。日本でも6インチから8インチへのステップアップには、高精度の品質管理が求められてきたので、その経験を踏まえると、中国の困難さは十分理解できる。

 

―中国では8ンチを飛び越して、12インチウエハーの量産化の動きが具体化しています。「上海新昇半導体」が、今年夏までに300ミリウエハーの製造設備を建設し、単結晶シリコンからプライムウエハーまでの一貫体制を構築し、月産5000枚での生産に着手したといわれます。

 

本郷 近く本格的に稼働するようだ。将来的には月産60万枚を目指すとのことだが、量産化の決め手は研究開発の持続力と研究資金が続くかどうかだとみている。韓国で先端ウエハーを量産している企業からも開発要員を集めているようだが、そう簡単ではない。ただ、今後は国内の300ミリウエハーラインが続々と立ち上がってくるので、採用するところが出てくる可能性もあり、注目してみている。

*(続きは、有料バックナンバーで)

 

 

■トップインタビュー

2016年9月5日号

●NECトーキン  代表取締役・執行役員社長 小山茂典氏

NECトーキンの再建を引っ張ってきた小山茂典社長。就任4年目の2015年に全事業門の黒字化を達成するなど、健全化にメドをつけた。この間、タイの洪水の影響もあって一時は大きく落ち込んだタンタル電解コンデンサー事業の立て直しに取り組み、売り上げの25%を占めるまでに見事に回復させたほか、車載用のリレー事業を世界標準に押し上げるなど、「確かな経営手腕」が輝きを放っている。ここにきて中期的に、タンタルコンデンサーを毎年10%増強し、2018年度に月産1億個への引き上げを計画するなど、主力事業の強化を図る一方、モーターを始めとして多様な産業分野でのアプリケーションが見込まれるナノ結晶軟磁性材料や薄帯から粉末製品化を狙う非晶質軟磁性材料などの新規事業分野への展開を打ち出した。同社長は固めの経営見通しを語るが、米KEMET社との協業をフォローの風にした再建策が功を奏し、縮小均衡から脱却した今、再生NECトーキンの拡大均衡への期待が高まってきた。

 

‐NECトーキン創業以来の厳しい状況下で、経営再建に取り組んで来られました。それから5年を経まして、昨年度は全セグメントで黒字転換を達成、今年は新たな第一歩を踏み出したわけですが、直近の収益状況を教えてください。

 

小山 2012年に社長に就任しましたが、その時が日本のパソコン、携帯電話などのジャンルでハードウエアメーカーがポジションを下げて行った時で、最も厳しい時期でした。そこから社員皆で頑張って、ドン底からは何とか這い上がってきて、2015年度に営業黒字転換を果たしました。それまでの「寝たきり」の状態からようやく「起き上がって、歩きはじめる」ことができた状態というところです。この成果から振り返れば、過去2012年ぐらいから積み重ねてきた改善は、概ね「的を得た」計画だったと思っています。

当社は、現在非公開なので決算は公開していませんが、昨年度の実績は、売上553億円、営業利益25億円です。営業利益率5%ですね。引き受けたときは、マイナスからの出発でしたが、2012年度からは改善を積み重ねた結果、一貫して毎年増収増益化できましたが、2015年度は、ようやくすべての事業分野で黒字転換でき、「全社的に前に進むことがみえてきた年だった」と位置付けています。

 

‐2011年には2度の未曾有の災害に国内外で見舞われ、この間、「耐えに耐え抜いた」と、拝察致しますが。

 

小山 この5年間は事業環境やマーケットの変化などにも晒されましたが、私が引き受ける前の2011年には東日本大震災があり、宮城県の工場も被災しました。当時、宮城県の工場の責任者でしたが、被災と同時にサプライチェーンも大いに痛み、顧客も含めて大きな困難に見舞われました。それに加えて同年の秋にはタイで大規模な洪水があり、当社のキャパシターの主力工場が1カ月以上、水に浸かり、全損となりました。当時、タイの工場の出荷額は全社売上の3分の1以上、利益ベースで50%以上稼いでいた工場が、「ゼロに帰した」わけですから、大きなインパクトでありました。

いずれの災害も、「何百年に一度」という頻度の天災ですが、先ほども言いましたように2011年後半から2012年にかけてが、当社にとって最も苦しい時期でした。東日本大震災では、被災した工場の責任者として、「従業員の頑張り」を目の当たりにしまして、この会社の仲間たちと会社を必ず復活させたいと思いましたし、それだけの価値のある事業だと思いを新たにしました。

タイの洪水でも、「従業員にとっては生活基盤を失うような」大きなことでありましたし、当社にとっても事業を奪われるような大災害でありました。当時、直接タイの事業に携わっていませんでしたが、マネジメントの上位案件として「再建に」に取り組みましたが、やはり現地を訪れ、この事業を何とか復活させたいとの強い思いを抱きました。

巡り合わせもあって、社長を引き受けましたが、今、振り返るとわずか1年の間に大きな災害が二つも重なる苦境のなかで、「何で引き受けたのか?」とも考えることもありますが、「皆で危機感を共有」しながら、ここまでやってきたことが、全セグメントで黒字化を達成できた原動力となったと思っています。その結果、被災した宮城やタイの工場も早期の復旧と新工場を立ち上げることができました。タイは、20年も地元に根付いた事業であり、翌年の夏にはタイ国内の新立地で操業再開にこぎ着けることができました。

 

‐東日本大震災だけでもエレクトロニクス関連メーカーの痛手は、相当なものでしたが、ましてやタイの洪水とまさに、「会社存亡の危機」でした。そこから社長のリーダーシップと全社の身を削るような努力の積み重ねで這い上がってきましたが、その成果が2015年度決算に結実しました。経営が上昇軌道に乗る一方、タンタルキャパシターやリレーなどでは、活況が戻ってきました。

 

小山 昨年度から伸長しているキャパシターやリレーなどへの投資に徐々に取り組み始めています。しかし、ここに至るまでには多くの地道な企業努力が積み重ねられています。それは、タイでは工場が2012年夏に操業が再開できましたが、ホッとするどころか新たな「困難」の始まりでした。半年以上供給が停止したわけで、再認定など、一からのスタートを余儀なくされまして、マーケットシェアを取り戻すのに、そこから1年半以上の長い時間が必要でしたから。ただ、20年来の工場を失いましたが、新たな工場の建設によって最新の機器の導入が行われ、生産体制を一新することができました。競争力を高める大きな推進力となりました。

 

‐まさに、「禍転じて福となす」ということでしょうか。洪水の直後は、タイでの工場再建は出来ないのではとの見方もありましたが。

 

小山 キャパシターの主力拠点でしたが、タイでの工場再建をすべきかどうか、悩んだ時期もありました。当時は、原料タンタルが急騰している時期でもあり、収益性が悪化していまして、工場としても大きな規模のケミカル部分を抱えていますので、再建のハードルは非常に高かった。しかし、世の中でこうした電子部品が必要であり、期待に応えられるテクノロジーも有していましたので、何としても再建したいという思いがありました。幸い、「災害保険」のなかに洪水被害が保障に含まれており、再建投資費用の多くを賄うことができましたことは幸運だったと思います。

新工場の再建によって、競合他社に比べて「半歩先を行く」テクノロジーを取り込むなど、その後、このことが十分な利益を取り戻すことに繋がりました。ただ、この間の業績改善の大きな要因は、スマートフォンやIT、自動車の電装化の一層の進展、その他様々な電子産業の上昇トレンドが追い風になったことでした。

こうした効果もあり、最近になって設備投資が再開できる基盤がととのってきてはいますが、この間の4~5年の間に他の日系電子部品メーカーはどこも、過去最高の利益を上げる状況となっていますので、それらと比較すると当社はまだまだ、道半ばであるといえます。

 

‐電子部品各社とも、スマホ一辺倒ともいえる戦略からウエアラブル機器、次世代自動車、IoT、ビッグデータと早やくも、構造転換を見越した事業転換に動き始めるなど、変化の兆しがみえ始めていますが、今年から来年にかけての事業見通しをどのようにみていますか。

 

小山 来年度に向けてやるべきことは、今年と変わらないということですが、市場動向としてはやや保守的にみています。この3~4年のように簡単に右肩上がりで伸びるとは考えていません。取り組んできた環境・エネルギー、自動車、医療などは一応、堅調ですが、一昨年や昨年までのような大きな伸びがあるかどうかは疑問。グローバルでの政治的、経済的、社会的な不安定性が強まっていることもあり、企業の投資意欲に影を投げかけています。今、ようやく全事業が黒字転換したところであり、余り高望みをせずに、来年度は売上で5%程度の成長を計画していますし、収益についても同様に「固めに」にみています。

*(続きは、有料バックナンバーで)

 

 

■トップインタビュー

2016年6月5日号

●株式会社三徳 代表取締役社長 岡田力氏 

「レアアースとレアメタル事業を基盤にした三徳のもつ高機能金属技術のポテンシャルを積極的にアウトプットすることによって、新たな事業化への糸口につなげて行きたい」と話すのは、株式会社三徳の岡田力社長。「これまで、どちらかというと社内にある潜在的な技術力を外部に向けて発信するということは少なかったのですが、昨年の大阪と今年4月に東京で開催された高機能金属展に出典しました。展示会への参加は、久しぶりのことですが、持てる技術を多様な形で外部に提案することによって、中期的に製品化・事業化展開を加速しようと考えており、展示会への参加もそうした思いの一環です」と、社外に向けて〝チャレンジする三徳〟を前面に打ち出す。一方では、和歌山レアアースを傘下に収め、既存事業の強化拡大に加えて、「C」(炭素)から「H」(水素)へのグローバルなエネルギー転換の動きを捉え、国家戦略への積極的な参加、或いは大学との連携、企業間の提携など、多面的な企業活動を展開する方針を語る。中期事業戦略を軸に事業の柱であるレアアース、レアメタルの動向、さらには関連事業の現状と今後の見通しなどを岡田社長に聞いた。

 

 ―昨年から中期5カ年計画をスタートし、その1年目に早速、ネオジム磁石合金の事業戦略強化の一環として、新日本電工グループとの間で和歌山レアアースの譲渡契約を結び、昨年11月には子会社化を完了、磁石合金事業のボリュームを大幅に拡大、国内最大手の地位を一段と強化しました。

 

岡田 日本電工と中央電気工業の経営統合により、新日本電工グループを立ち上げられるなかで、事業の選択と集中に踏み切られた結果、弊社にネオジム磁石合金事業譲渡の打診があり、昨年、中央電気工業・和歌山工場のネオジム磁石合金事業を切り出し、和歌山レアアースを設立、譲渡の具体的な交渉を行ってまいりました。その結果、昨年11月には最終合意に達し、後に公正取引委員会の了解を経て、弊社が80.73%、双日が20%弱の出資比率で、和歌山レアアースを弊社の子会社化しました。弊社の培ってきたネオジム磁石合金事業と和歌山レアアースの有している製造技術を融合、国内外での事業経験を生かした「シナジー効果」を発揮し、グローバルでの事業拡大に結びつけていきたい。

 

―子会社化の直後、和歌山レアアースの資本金を1億円から3億5000万に増資、事業体制の整備にも取り組んでいますが、今回の新たな国内拠点の確保に加えて、予ねてから展開している中国でのネオジム磁石合弁事業を併せて、グローバルな供給体制が大幅に拡大します。

 

岡田 和歌山レアアースの子会社化で、弊社グループのネオジム磁石合金事業のウエイトトが大幅に拡大し、売り上げに占める比率も大きくなります。中国内事業は、一昨年、能力増強を行い、需要増への対応を図りましたが、残念ながら2015年は中国市場が低迷しており、弊社の合弁事業もぎりぎり黒字を計上する業績にとどまりました。

そうしたなかで、磁石合金事業での今年の課題は、和歌山レアアースと弊社の技術の相乗効果を発揮し、「両社の顧客に対して、統合のメリットをどのように還元して行くのか」ということにあると思います。この課題に対して、スピード感をもって取り組むことにしています。新日本電工グループからは、中央電気工業がベトナムに進出、設立したレアアースのリサイクル事業譲渡の打診もありましたが、弊社は国内で独自のレアアース、レアメタルリサイクル技術を有していまして、他社技術を導入したベトナム工場とのマッチングは難しいと判断しましたほか、弊社の有していますマンパワーの面からも、あまりにも過大かなとの思いもありましたので、お断りしました。

 

―中期計画の初年度から、〝岡田流〟の積極経営がヒットしていますが。

 

岡田  中期経営計画では、5年で「安定的、持続的に成長する」ことが大きなテーマです。また、これまで展開してきた事業の「収穫期」と位置づけています。同時に次の戦略事業への種まきを行う。さらに、エンドレスの課題である財務体質の改善を図り、次の投資に備えるということが狙いになります。

 

―環境・エネルギー関連での御社のポテンシャルは、ジルコニウム系触媒材料などの排ガス触媒用材料、磁気冷凍材料、最軽量マグネシウム合金、燃料電池材料、AB5やBCCといった水素吸蔵合金、空気電池用陽極触媒など、非常に高いものが揃っています。

 

岡田 これらの製品を成長の原動力に据え、中期計画で事業の柱に育て上げることが目標となっています。そのためにも、外向きの提案を積極的に推進することに力を入れ始めているところです。久し振りの展示化への出展もそうした狙いからです。実際、展示会を通じて思わぬ企業からの問い合わせや依頼なども舞い込んでいます。

 

―将来的な世界のエネルギー供給の動きが、「炭素」(C)から「水素」(H )へ舵を切り始めていますが、これらの新規分野でレアアース、レアメタルの新たな出番を期待させる研究も広がっています。水素社会を目指し、国家戦略として推進している燃料電池開発では、電池の大幅なコストダウンが普及への一里塚となります。

 

岡田 低コスト燃料電池に不可欠な白金代替技術として、助触媒にランタンやセリウムを使った研究開発が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によって進められています。弊社も燃料電池関連では、炭化水素の水蒸気改質触媒、アニオン伝導固体電解質などの開発を行っており、これらの潜在的な力を製品化に向けて、多様な取り組みを目指すことにしています。

また東芝などが、風力発電などの自然エネルギーを活用、この電気で液化水素を製造し、燃料電池向けの供給を行う実証実験が始まっています。そこでは、製造後の水素の輸送手段として液化水素ボンベが使われていますが、どうしても体積が大きくなってしまうという課題があります。弊社の得意とする水素吸蔵合金を使えば、「コンパクト化」が実現します。レアアースを活用した高容量で高機能な水素吸蔵合金への研究開発の推進は、水素社会の発展にとって大きなインパクトを持っていますので、活用を期待しています。また、リチウムイオン二次電池用正極材を事業化していますので、電力貯蔵分野での潜在力を有しています。

*(続きは、有料バックナンバーで)

 

 

■R&Dインタビュー

2015年12月25日号

●国立研究法人物質・材料研究機構 関口隆史グループリーダー

世界初のシングルシードキャスト法で、「高品質」、「低価格」の単結晶シリコン(モノシリコン)成長に成功

世界の太陽光発電ビジネスは、供給過剰な低品質多結晶シリコンをダンピング戦略で世界に〟垂れ流す〟中国に席巻され、日、独などの有力企業が撤退に追い込まれたほか、事業環境は低収益を迫られている。かつては世界のリーダーだった我が国が、太陽光発電ビジネスの主導権を中国から取り戻すには価格競争力のある結晶シリコン太陽電池技術を開発することが必要不可欠である。この目的に沿って、2010年度からNEDOプロジェクト「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」が開始され、「高品質」、「低価格」の単結晶シリコン(モノシリコン)の育成を柱とした太陽電池技術の研究が推進されてきた。ここにきて、NEDOプロジェクトで従来の鋳造法に比べ、太陽電池向けモノシリコン結晶の品質を飛躍的に向上することに成功したのが、国立研究法人物質・材料研究機構MANAナノエレクトロニクス材料ユニットグループの関口隆史グループリーダーと九州大学の柿本浩一教授らの研究グループ。我が国の巻き返しの期待が高まる「シングルシードキャスト法」によるモノシリコンの開発に取り組んできた物材機構の関口隆史チームリーダーに新生産プロセスの優位性や将来性などについて聞いた。

 

世界に先駆けて開発したシングルシードキャスト法は、従来の鋳造法に比べて太陽電池向けモノシリコン結晶の品質を飛躍的に向上、シリコン太陽電池の高効率化とコストダウンが見込めるほか、結晶中の酸素濃度を6ppmにまで大幅に低減、FZ(フローティングゾーン)法シリコン単結晶に迫るパワーデバイス向けの大型結晶の供給への期待が高まってくるなど、太陽電池向けのみならず、我が国が世界をリードするパワーデバイス向けへの発展が予想されていますが。

 

関口 太陽電池の主流であるシリコン系太陽電池は、変換効率が20%に達しており、今後の開発は、付加価値を高めるために、一段の高効率化が求められている。一方、汎用の低価格太陽電池には、MC-シリコンと呼ばれる多結晶シリコンが使われているが、変換効率が16%から18%と1割から2割低い。

高品質、高変換効率の太陽電池としては、半導体シリコン単結晶(CZシリコン)を使って、変換効率20%を超える製品が製造されているが、多結晶シリコンに比べると価格が大幅に高いことが課題。しかし、従来の鋳造多結晶シリコンではこの目標値を実現することが不可能である一方、半導体用の無転位単結晶シリコンでは価格競争に勝ち残れないため、多結晶シリコン、半導体単結晶シリコンに代わる「第3のシリコン材料」の開発が望まれていた。

そこで、この問題を解決するため、NEDOプロジェクトで種結晶を使ったシリコンの鋳造法である「シングルシードキャスト法」を新たに開発し、結晶の品質が良く不純物の少ない単結晶シリコン(モノシリコン)インゴットを育成することに取り組んできた。開発した新たな鋳造法は、るつぼの中でシリコンを溶解し、小さな種結晶から大きな単結晶を成長させる技術で、半導体シリコン単結晶の作成法に比べて、原料コストと製造コストの両面でのコストダウンが可能である。

 

シリコン結晶の溶解には、一般的に石英坩堝が使われますが、坩堝の材質は何を使われているのでしょうか。今後、さらに大型結晶化へ向けたルツボの課題は。

 

関口 坩堝には石英を使っている。現在、多結晶鋳造用に1メートル角の坩堝も製造されているので、石英坩堝に関しては技術的な困難さは、あまりないと考えている。

 

多結晶シリコンでは、高純度の金属シリコンが使われますし、半導体CZシリコン単結晶ではイレブンナインの超高純度多結晶シリコンが原料となります。今回のモノシリコン結晶成長は、投入原料として何を使われているのでしょうか。

 

関口 半導体CZシリコンの端材が多い。高純度金属シリコンを使う場合には、ボロンやリンの濃度がわかっていることが条件となる。補償が大きいものは、効率を上げるのは難しいと思う。

 

シングルシード法による高品質モノシリコンの主要な成長条件は、3次元的なきめ細かな温度管理とも推測できますが、量産化にも向く技術なのでしょうか。

 

関口 電気炉の熱設計が最適化されれば、あとはプログラム通りの温度履歴で結晶ができるところが一番の特徴である。鋳造法は、高温で溶解したシリコンを坩堝の中で固化させるもので、半導体材料として用いるCZ法やFZ法と違って、結晶育成中に監視する必要がないため人件費が省けるなど、製造コストの低減が可能。開発したシングルシード法は、種結晶を坩堝底全面に敷くのではなく、中心に置いた一個の種結晶から大きな単結晶を成長するもので、原料コストを抑えることができる。

 

今回試作に用いた設備で50センチメートル角のモノシリコンインゴットまでの成長が可能とされているほか、一般的な太陽電池の量産ラインへ組み込むことができるとされていますが、種結晶を含めた一回当たりの原料投入量と結晶の成長速度を教えて下さい。

 

関口 原料投入量は、50センチメートル角のモノシリコンが得られる結晶の厚みが10センチメートルで約60キログラム、20センチメートル高さでは約120キログラム。結晶の成長速度は、通常の鋳造結晶と同程度である。

 

電力必要量は一回当たりどの程度なのでしょうか。また、それは多結晶シリコンの一般的な製造法であるシーメンス法や半導体単結晶シリコンの製造法のCZ法と比べ、削減可能でしょうか。

 

関口 多結晶シリコンの鋳造炉に準じた電力を投入している。シード法モノシリコンは溶解時に、多結晶を成長させる場合より少し長い時間をかけるので、その分電力は少し増加する。コストダウンは、断熱性能を更に強化し最適化することで可能と思う。

CZ炉では、結晶育成に伴って融液量が減少するのでパワーを増大させる必要があるのに対し、鋳造炉では、結晶育成に伴ってパワーを減少させて行くことや、一度に、CZ炉の約10倍の大面積の結晶を育成することができることなどで、電力的には有利である。(50cm角の場合、約10倍)

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■R&Dインタビュー

2015年11月25日号

東京大学生産技術研究所 増野敦信助教

「鋼に近い高弾性」、「高屈折率」を発現する酸化物ガラスで、ニューガラスのフロンティアを切り開く

これまでガラスにならないと思われていた、酸化アルミニウム(AlO3)と酸化タンタル(TaO5)のみからなる新しい組成のガラスの世界初の合成に成功したのが、東京大学生産技術研究所 増野敦信助教。得られたガラスは無色透明で酸化物ガラスの中で最高の弾性率を有している。局所構造解析を行ったところ、アルミニウム原子周囲の構造が、一般的なガラスとは大きく異なること、そしてその結果として、充填密度が非常に高くなり、極めて高い弾性率となっていることを突き止めた。開発したガラスは「ガラスよりも、鋼に近い値」を示しており、薄くしても丈夫な新素材として、エレクトロニクス用基板、建築材料、カバーガラスなどへの応用が見込まれている。同助教は、アルミニウムータンタル以外にも、希土類ーニオブ、希土類―チタン、希土類―アルミなど一連の“ニューガラス“の開発でも成果をあげ、類をみない高屈折率ガラスとして企業との共同研究を経て、商品化に動き始めており、一躍脚光を浴びている。英科学誌「サイエンティフィックリポーツ」にも掲載された今回の成果について増野助教に聞いた。

 

―これまで、酸化アルミニウムを主成分とする単純な組成ではガラス化しないとされてきましたが、今回、成功したポイントは。

 

増野 酸化アルミニウムと酸化タンタルとをほぼ1:1の組成で混ぜ、無容器法を適用することで、無色透明なガラスにすることができたところである。具体的には、酸化アルミニウム粉末と酸化タンタル粉末を予めほぼ1:1で混ぜて固めたものをノズルからガスで送り込み、浮遊させながら炭酸ガスレーザーを照射することによって合成した。

 一般的なガラス合成法においては、ガラス化を阻み結晶化を促進する最大の要因は、容器壁面からの不均一な核生成である。無容器法では物質を空間に浮かせた状態で合成を進めるため、壁面からの不均一核生成が極限まで抑制される。その結果、ガラスになりにくい組成でも比較的容易にガラス化することができる。

無容器状態を実現するために、今回はガス浮遊炉を用いた。円錐形のノズルから試料に対して下から鉛直方向にガスを吹き付けることで、試料を浮遊させたまま保持し、炭酸ガスレーザーを照射して試料を2000℃で溶融、合成することができた。

 

―ガラス化する酸化アルミニウムと酸化タンタルの組成変動は。どの程度まで可能でしょうか。

 

増野 理想的な組成は、ほぼ1:1である。上下5%以上組成が振れると、ガラス化しない。

 

―酸化アルミと酸化タンタル粉末は、高純度のものが必要ですか。また、粒子径は。

 

増野 今回は酸化アルミニウム、酸化タンタルともに市販の試薬級(99.9%)を使ったが、レンズなどの高級なものでは高純度であることが要求されるかも知れないが、スマートフォンのカバーガラスなどでは、ある程度の純度があればガラス化への影響はないものとみている。溶かしてしまうので粒子径も特別にそろっている必要はない。

 

―今回、合成して得られた酸化物ガラスは直径が2.5ミリメートルの球体ですが、サイズはどの程度まで可能ですか。また、量産性は。

 

増野 ガス浮遊炉を利用した無容器法の場合,ガラス化しやすい組成なら最大で10ミリメートル程度までは作ってみた。レンズのような用途であると、この大きさ程度でもそのまま使える分野もあるだろう。また、スマートフォン用のカバーガラスなど比較的大きな用途では、球体ガラスを多数作って型に入れ、ガラスが軟化する程度の温度まで高めて圧力をかけて焼結すれば、利用可能な状態を形成できるとみている。

 量産については、そこまで考えていなかったが、カバーガラスなどを作るためのいくつか別のプロセスも試そうとしている。

 

―コスト的にはいかがですか。

 

増野 装置と原料代を別とすれば、ランニングコストは僅かな炭酸ガスレーザーの電力だけなので、安価に製造することができることが特徴だ。

 

―安価で製造可能、しかも高弾性、無色透明ですから「非常に丈夫なガラス」として、幅広い分野で応用製品化が期待できそうですね。

 

増野 薄くしても丈夫な新素材として、エレクトロニクス用基板、建築材料、カバーガラスなどへの応用が見込める。

なんといっても、酸化物ガラスの中で最高の弾性率を有している。局所構造解析を行ったところ、アルミニウム原子周囲の構造が、一般的なガラスとは大きく異なること、そしてその結果として、充填密度が非常に高くなり、極めて高い弾性率となっていることを突き止めた。例えば、弾性率のひとつであるヤング率は160ギガパスカル(GPa)に達したが、これは酸化物ガラスの中で最も大きな値である。典型的な酸化物ガラスの場合は80GPa程度、鋳鉄は152GPa、鋼は200GPa程度であることと比較すると、今回新たに合成したガラスの弾性率は、ガラスよりも鋼に近いことがわかった。

 

―高弾性のメカニズムは、どうして発現したのですか。

 

増野 走査型透過電子顕微鏡(STEM)でAlとTa原子の分散状態や核磁気共鳴(NMR)でAl原子核の局所環境についての解析を行った。その結果、AlとTaが原子レベルで均一に分散していること、そして周囲の酸素の数が5であるAl原子の割合が非常に多いことがわかった。通常の酸化物ガラス中に酸化アルミニウム(AlO3)を少量添加した場合は、ほぼ4配位になり、5配位は珍しい局所構造である。

その結果として、このガラスは全体的に隙間無く密につまっていた。また、こうしたAl原子周囲の特異な局所構造は、Taという元素によってもたらされたということを提案した。AlO3-TaO5ガラスで見られたAlやTaの特徴的な振る舞いは、従来のガラス形成則の考え方からは大きく逸脱しており、そのため今回開発した高弾性率ガラスは、本質的に新しいタイプのガラスであると考えている。ガラス科学における定説に反して、今回、酸化アルミニウムと酸化タンタルのみを組成とするだけでもガラスができるになることを示した。

これはガラス科学にとって新たな材料空間が発見されたといえる。加えて、Al周囲の局所構造を制御することでさらなる新材料を生み出せる道筋が見つかった。今回の成果によって、古典的ガラス形成則を超えたところに、新しい“高充填密度”ガラスの領域があることがわかった。

 

―2013年に発見したランタンーニオブ、ランタン―チタン、ランタン―タングステンなどの一連の高屈折率ガラスへの産業界の期待も大きいようですが。

 

増野 今回の成果と同様、これまでガラスにならないと考えられていたランタン酸化物(La2O3)とニオブ酸化物(Nb2O5)のみからなる組成の新しい2種類のガラスを開発した。2種類のガラスはLa2O3の含有量が多いものとNb2O5の含有量が多いものとがあり、いずれも無色透明で、かつ2.12.2という極めて高い屈折率を示した。

 

―高屈折率ガラス実用化の見通しは。

 

増野 このガラスの光学特性は極めて優れており、超高精細、高解像度を実現する光学レンズとしての応用が期待される。2013年に発表した時は、多くの光学ガラスメーカーから共同開発の声をかけていただいた。現在進行形のものがあるが、秘密保持契約があるので多くは言えないが、商品化される時期も遠くないだろう。他の商品と差別化を図った高機能、コンパクト、高付加価値分野で実用化を目指している。

*(続きは、有料バックナンバーで)

 

 

■新春インタビュー■

2015年2月5日号

株式会社 メタルドゥ 相談役 藤田國廣氏

 

●・・・日本の景気の立ち直りは、意外と早い      

「今年の景気見通しは?」と聞かれても、答えは非常に難しいと思う。しかし、こうだと言い切れる根拠があるわけではないが、一言でいえば、「そんなに悪い経済環境ではない」とみている。それと「意外と立ち上がりは早いのではないか」と考えている。

足元はレアメタルを含めた銅、鉄、プラスチック、原油などすべてのコモディティ価格が下がってきており、レアメタルの価格も大きな影響を受けている。マクロ的には世界経済の後退局面を迎えているばかりか、政治的にはフランスのテロ事件、ロシアへの制裁、中国経済のリセッションや原油価格の下落など、挙げたらきりがないほど、不安定要因は目白押しだ。しかし、人間誰しも50年前のことは忘れてしまっても、5年前のリーマンショックを忘れたわけではないと思うだけに、これらの政治、経済課題をその都度織り込みながらバランスしようとして行くと考える。

 

●・・・2月期決算は売上、利益ともに数十パーセント増の大幅増収益となる見通し

市況下落局面では在庫は「先入れ後出し」となり、一時的に負担は増すが、現状当社の業績は順調に拡大している。2月期決算見通しは売上、利益ともに数十パーセント増の増収増益となる見通し。当社の世代は変わったが次期決算も増収益を期待している。景気の波は常に繰り返しくることは避けられない。昨年来資源価格の下落が続いているが、市況が下がれば、いずれ底を打ち上昇に転じるし、上げ相場といえども必ず天井を打つ。

どこかに必ず「ターニングポイント」があることは変わらない。確かに、その時々の「在庫のポジション」や「売買ポジション」という経営的な部分もあるが、中期的なスパンで見れば市況が下がったほうが良いこともある。いたずらにばたばたせずに、「ピンチ」は静かに受け止め、しっかり自分たちの足元をみつめながら、適切に手を打てば逆に「チャンス」を呼び込むことができる。社内でも、こうしたことを常々言ってきている。

●・・・国内最大のレアメタルリサイクル事業は、「小ロット・多品種」

大手非鉄メーカーさんのように銅や鉄のリサイクルのような大型の設備投資を行い、長期に資本を寝かせるような長期的な事業展開は、当社はなかなかできない。国内のレアメタルリサイクル市場もそうした巨額の資本投下をするようなボリュームのスクラップが集まるものではない。

レアメタルに限ってみると、当社は「国内最大級」のリサイクルシェアを有している。月間3000トン前後のスクラップを扱い、現在の評価で150億円前後の業態である。

金属リサイクル事業は、鉄や銅やアルミのような大規模な事業とコバルトやニッケル、チタンのようなレアメタルの事業に二分されている。それだけにレアメタルはニッチで要求精度の高い仕事といえる。半面、大手さんが人、モノ、金を、技術を投じるようなリサイクル金属と異なるところであり、逆に大手さんが入り難いところでもある。

当社は、レアメタルのなかでもニッケル、コバルト、チタン、タンタルなどを軸にレアメタルに特化した事業展開を続けてきている。扱い品目は細目すれば数百種類に達するが、レアメタルのリサイクル産業規模は大きくない。それだけに、「小ロット・多品種」を武器に、大手企業が参入し難い領域で我々の活躍の余地があるということを念頭に企業価値の最大化を目指している。

 

●・・・経営ポリシーは、「安定供給」と「安定価格」戦略

スクラップとバージン品とでは、サプライチェーンが大きく異なる。スクラップは製造原価がある商品ではないが、バージン品に対しては必ず価格メリットがある。このスクラップの特質を事業に結実し、「安定供給」、「安定品質」、「安定価格」そして「多品種」を前提にした事業展開を続けており、これが当社に対する「需要家の信頼」につながっていると思っている。スクラップの顧客は主としてバージン品を使い、然る後にスクラップを使うケースが大半。こうした背景を事業に組み込み、具体的には、スクラップで供給が難しい局面ではバージンを使用するという逆の方向に事業を考えたい。当社はスクラップと共にプライマリー品も扱っている。スクラップを軸に材料の供給を絶やすことはなく、ニーズがあれば、どのような形態でも販売するということが当社の経営ポリシーだ。

(談)

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